配分額 *注記 |
44,200千円 (直接経費: 44,200千円)
2007年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2006年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2005年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2004年度: 18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
2003年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
蛋白質のフォールディングや機能発現は,水との相互作用によって実現されている物理化学的現象である。本研究では,独自に開発している分子シミュレーションシステムMARBLEを用いて,蛋白質と水の関わりについての研究を行った。 平成19年度には,蛋白質αラクトアルブミンのアンフォールディングシミュレーションに関する成果を論文としてまとめることができた。この論文では,新たな解析法として,シミュレーション軌道のマルチプルアライメント法を開発し,それをαラクトアルブミンのアンフォールディングシミュレーションに適用することで,特定研究代表である桑島らによるφ値実験とよく一致した結果を得ることができた。さらに,このアンフォールディング軌道の構造を,特定計画研究班員である松林らによるエネルギー表示の積分方程式法に適用することで,アンフォールディング過程での水の役割について,水和自由エネルギー変化の観点から見積もることができた。 また,分子認識機構については,NMR実験情報による分子シミュレーションを用いて,DNA結合蛋白質PhoBに関して,DNA結合型,非結合型の双方の立体構造を決定した。この論文では,通常真空中でおこなれる構造決定を,水を含めた形で行うことでより精度の良い構造決定を行うことができた。その結果,DNA-PhoB間に,水を介した相互作用を多く見つけることができ,蛋白質PhoBのDNA認識機構における,水の役割の重要性を明らかにした。 さらに,生体膜中で,水を透過させる水チャネルアクアポリンについての分子動力学シミュレーションを行い,pf-matrix法を新たに開発し,浸透圧による水透過の分子メカニズムを解明した。
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