研究課題/領域番号 |
15079203
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2004-2007) 金沢大学 (2003) |
研究代表者 |
大野 博司 理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, チームリーダー (50233226)
|
研究分担者 |
長谷 耕二 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 研究員 (20359714)
中津 史 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 研究員 (50360607)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
147,200千円 (直接経費: 147,200千円)
2007年度: 26,400千円 (直接経費: 26,400千円)
2006年度: 28,100千円 (直接経費: 28,100千円)
2005年度: 28,100千円 (直接経費: 28,100千円)
2004年度: 32,300千円 (直接経費: 32,300千円)
2003年度: 32,300千円 (直接経費: 32,300千円)
|
キーワード | 小胞輸送 / AP複合体 / AP-1B / μ1B / 欠損マウス / 極性輸送 / ノックアウトマウス / tGolgin-1 / CLASP / 輸送シグナル / チロシンモチーフ / 細胞内局在 / 遺伝子欠損マウス / VGAT / ZnT3 / 細胞・組織 / 蛋白質 / 細胞内輸送 / 細胞生物学 |
研究概要 |
上皮細胞特異的に発現し、側基底面細胞膜への膜蛋白質の極性輸送を担うクラスリンアダプター複合体,AP-1B複合体の個体レベルでの役割を明らかにする目的で、AP-1Bのサブユニットμ1Bの遺伝子欠損マウスの解析を行った。μ1B欠損マウスは成長障害が認められ、ほとんどは3ヶ月以内に死亡した。組織学的検討の結果、腸管上皮の過形成が認められた。免疫組織染色の結果、μ1B依存的に側基底面細胞膜に局在するLDL受容体がμ1B欠損マウスでは管腔側細胞膜にも存在しており、また本来管腔側細胞膜のみに局在するsucraseやvillinが側基底面細胞膜にも局在していた。電顕による観察でも本来管腔側のみに見られる微絨毛が側基底面細胞膜に異所性に認められた。これらの結果は、AP-1Bが個体レベルでも上皮細胞における極性輸送制御に重要であることを示唆している。 μ1B欠損マウスでは腸管粘膜上皮の過形成が見られたことからKi67陽性の増殖細胞の分布を調べたところ、野生型では幹細胞が存在するクリプト底部にのみ見られるのに対し、μ1B欠損マウスではクリプトから絨毛部にかけて広く分布していた。EGF受容体ファミリーのErbB2/ErbB3ヘテロ2量体はEGF増殖シグナルを伝達するが、分化した上皮細胞では、ErbB3は管腔側に、ErbB2はAP-1Bにより側基底面細胞膜に分かれて局在するため増殖シグナルは伝達されない。しかしμ1B欠損マウスにおいてはErbB2が管腔側にも局在するため異常な増殖シグナル伝達が起こることが示唆された。さらに、μ1B欠損マウスではβ-cateninの核移行も亢進していた。β-cateninは上皮細胞のクリプトー絨毛軸における移動を制御するEphB2の転写も制御することから、β-cateninの核移行亢進がμ1B欠損マウスにおける増殖細胞の異常分布に寄与している可能性が示唆された。
|