配分額 *注記 |
83,100千円 (直接経費: 83,100千円)
2007年度: 22,200千円 (直接経費: 22,200千円)
2006年度: 22,500千円 (直接経費: 22,500千円)
2005年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2004年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2003年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
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研究概要 |
今年度は精子幹細胞を利用した新しい遺伝子導入法を報告した(Takehashi, et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 2007).従来精子形成細胞はアデノウイルスには感染しないと考えられていたが、今回我々はアデノウイルスを試験管内で精子幹細胞株Germline Stem (GS)細胞に感染させることでアデノウイルスが生殖細胞に感染しうることを行うことを見いだした。この実験系においてアデノウイルスの感染したGS細胞から産仔を作成したところ、そのどの子孫にもアデノウイルス由来のDNAを見つけることができなかったことから、アデノウイルスは一過性にGS細胞において遺伝子発現したのち、GS細胞のゲノムに挿入されることなくGS細胞の分裂とともに消失したことが予想された。我々はこれまでにGS細胞への安定的な遺伝子改変方法を開発してきたが、今回のアデノウイルスを利用した一過性の遺伝子発現系はそれらの方法を補うものである。とくにアデノウイルスは感染効率が非常に高いので、多数の細胞に同時に遺伝子導入ができるという利点をもっており、今後の精子幹細胞の遺伝子操作に貴重な手法となる。 またさらに本年度我々は精単から樹立したmultipotent germline stem cell (mGS)細胞において相同組み替えを誘導し、オクルジン遺伝子を破壊個体の作成に成功した。オクルジン遺伝子をホモ個体として欠損したマウスを作成したところ、胚盤胞由来のembryonic stem (ES)細胞を用いて作成したオクルジン欠損個体と同じ表現形(男性不妊、慢性胃炎、骨粗鬆症など)を示した。この方法はES細胞、核移植、GS細胞に引き続く4番目の遺伝子破壊個体作成方法であり、今後mGS細胞をさまざまな動物種で樹立した場合に利用することが可能であることが期待される。
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