配分額 *注記 |
76,500千円 (直接経費: 76,500千円)
2007年度: 15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2006年度: 15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2005年度: 15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2004年度: 15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2003年度: 15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
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研究概要 |
アストロサイト,ミクログリアなどグリア細胞は最近の研究から従前考えられていたような神経細胞の単なる栄養細胞,支持細胞でなく,神経細胞と積極的な物質的相互作用を行うことで神経情報伝達の処理,神経細胞の機能発現に深く関わっていることが明らかになってきている。また,アストロサイト,ミクログリアは外的刺激により反応性にその形態と機能が変化することが知られており,この反応性の解明が神経細胞死や神経変性疾患など脳の病態形成機序を考える上で極めて重要であると考えられている。昨年度よりマウス脳由来培養アストロサイトを用いて,薬剤刺激によるアストロサイトの反応性に特異的に関わるG蛋白質共役型受容体(GPCR)の一つとしてVPAC2を同定してきたが今年度はVPAC2の薬剤による誘導がグリア型グルタミン酸トランスポーターの発現増加を引き起こすことを見出した。他方,ミクログリアについては,炎症性物質と考えられていたブラジキニンにミクログリアからの炎症性サイトカインの遊離を抑制する作用があることを予想外な結果として見出した。またブラジキニンはミクログリアに発現するGPCRの一つであるプラジキニン受容体に作用しミクログリアの遊走を誘導することを発見した,さらに,この遊走能はNa^+/Ca^<2+>交換体の逆向き作用によるCa<2+>流入に依存することが判明した。以上の成果は,グリア細胞の機能にGPCRが深く関わっていることを示唆する。その他,アストロサイト優位に発現するGPCRとしてNtsr2を同定し一昨年度来解析してきたがその成果を論文として報告した。
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