配分額 *注記 |
32,000千円 (直接経費: 32,000千円)
2006年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2005年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2004年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2003年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
あらゆる細胞は、機械刺激を受容して様々な応答を示す。この性質は、細胞の容積や運動の調節、循環器調節や重力感知に関わる極めて重要な機能である。その分子機構は長らく謎であったが、近年メカノセンサーの実体として、機械受容(MS)チャネルが発見され、急速に研究が展開している。本計画では、これらの成果を土台に、1)MSチャネルの活性化機構、機械受容における2)細胞骨格と3)接着斑の役割の解明を目標とした。主要な結果は以下の通りである。 1.機械受容チャネルの活性化機構 : 高次構造が判明し、最も研究の進んでいる細菌機械受容チャネルMscLの膜張力による活性化のナノ機構を解明することを目指した。点突然変異の導入とパッチクランプ,および分子動力学シミュレーションの組み合わせにより,膜と溶液の界面近傍に位置する特定のアミノ酸残基が張力感知部位であることを特定し,これを含む膜貫通ヘリックスが膜張力によって徐々に膜面方向に倒れながら,互いにスライドしてイオン透過孔(ポア)が開くことを明らかにした. 2.機械刺激の感知における細胞骨格(ストレス線維)の役割 : 培養血管内皮細胞を材料に,セミインタクトモデル,in-vitroモデルを開発し,レーザーピンセットによるナノ操作を組み合わせて,ストレス線維の主要構造であるアクチン線維が,張力の減少に応じて,F-アクチン脱重合因子であるコフィリン依存的に崩壊する全く新しい型のメカノセンサーであることを発見した. 3.機械刺激の感知における接着斑の役割 : 培養上皮系細胞のセミインタクト細胞を用いて伸展刺激依存性のアクチン骨格/接着斑の成長における接着斑の役割を解析し、接着斑蛋白質である、zyxinが機械刺激感知とアクチン骨格/接着斑の成長に必須のシグナル分子であることを発見した。
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