研究分担者 |
小柳 義夫 (大柳 義夫) 工学院大学, 情報学部, 教授 (60011673)
山本 博資 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30136212)
室田 一雄 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50134466)
今井 浩 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80183010)
杉原 正顯 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80154483)
村重 淳 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (40302749)
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配分額 *注記 |
117,650千円 (直接経費: 90,500千円、間接経費: 27,150千円)
2007年度: 22,880千円 (直接経費: 17,600千円、間接経費: 5,280千円)
2006年度: 23,920千円 (直接経費: 18,400千円、間接経費: 5,520千円)
2005年度: 22,100千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 5,100千円)
2004年度: 26,260千円 (直接経費: 20,200千円、間接経費: 6,060千円)
2003年度: 22,490千円 (直接経費: 17,300千円、間接経費: 5,190千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,従来から開発されつつある分野ごとの個別のロバスト計算技術を横断的に整理し,分野の境界を超える共通で普遍的なロバスト計算のためのアルゴリズム設計パラダイムを構築することであった.この目的のために,本研究参加者がそれぞれの手法を持ち寄り,交流をくり返す中で,五つの設計原理を抽出することができた.その第一は,「計算対象の背後に存在する構造不変性の利用」で,位相構造の優先による幾何不整合の防止,物理法則を継承する数値解法,因果律に反しない計算順序の選択などの技術を含む.第二の原理は,「対象世界の拡大による計算の安定化」で,図形を超図形へ拡張することによるミンコフスキー演算の安定化,離散対象の連続緩和による整数計画法の高効率化,記号摂動による例外解消などの技術を含む.第三の原理は,「対象世界を制限することによる計算の安定化」で,連続関数の格子点への制限による計算の安定化,実数計算を整数計算へ制限することによる幾何計算の無誤差化,などの技術を含む.第四の原理は,「不確定性のモデル化による計算の安定化」で,物理パラメータを値から領域へ置き換えることによる制御安定化,値を区間に置き換えることによる特異積分方程式の解法などの技術を含む.第五の原理は,「仮定の排除による汎用性の確保」で,発生確率に関する仮定を排除することによるユニバーサル符号技術や異常検出技術などを含む.さらに,抽出した原理を指針に用いて,新しいロバスト計算技術も開発できた.その中には,第一の原理に基づいて,対象の背景構造をディジタル画像近似を介して統一的に抽出して利用する「ディジタル位相優先法」,第二の原理に基づいて,望みの例外のみを選択的に解消することによって摂動の副作用を防ぐことのできる「超摂動」などの技術がある.これらの活動を通してロバスト計算技術を新しく生み出すことのできるパラダイムが構築できた.
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