配分額 *注記 |
105,170千円 (直接経費: 80,900千円、間接経費: 24,270千円)
2007年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2006年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2005年度: 28,340千円 (直接経費: 21,800千円、間接経費: 6,540千円)
2004年度: 28,340千円 (直接経費: 21,800千円、間接経費: 6,540千円)
2003年度: 32,110千円 (直接経費: 24,700千円、間接経費: 7,410千円)
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研究概要 |
本研究は,東シナ海東部海上の梅雨前線付近におけるメソ対流系の発生・発達機構を航空機観測により明らかにし,雲解像数値モデルを用いた解析により,水・エネルギー収支を明らかにするための研究の推進を目的とした.まず,雲解像数値モデルCReSSを用いた「航空機観測の飛行経路を決定する気象予測システム」を開発した.この気象予測システムによる予報結果を用いて,梅雨前線及び水蒸気前線の推定位置を横断する飛行経路を決定し,航空機観測を4回実施した(2004年6月24日と6月27日及び2005年6月23日と6月24日).航空機を用いて,気温・湿度,風向・風速,鉛直流を高度500mで測定しながら,梅雨前線及び水蒸気前線を横断し,同じ経路上でドロップゾンデ観測を行った.観測結果及び数値実験結果から,梅雨前線の南側に複数の水蒸気前線が存在しうることを実証的に示した.CReSSを用いた再現実験の結果を用いて流跡線解析を行い,中国大陸からの気流,南シナ海からの気流及び台湾の東側から流入する気流の合流(下層の収束)が水蒸気前線の形成に重要な役割を果たしていることを明らかにした.さらに,過去の観測データの解析から,梅雨前線の南側には背の低い対流性降水雲が多く存在することを明らかにし,湿潤な環境場におけるメソ対流系の発達機構の解明を行った.独自に開発した雲解像数値モデルによる気象予測システムを用いて飛行経路を決定して航空機観測を行い,梅雨前線の南側のメソ対流系の発生・発達機構に関する新たな知見を実証的に提供できたことは,梅雨期の豪雨の発生予測法の改良に示唆を与えるものである.本研究によって改良された雲解像数値モデルが公開され,国内外にユーザーを広げ,東シナ海周辺の研究者との研究交流が進み,湿潤環境場のメソ対流系の発生・発達機構の解明に糸口を与えたことは広い意味での国際的な貢献であるといえる.
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