配分額 *注記 |
112,190千円 (直接経費: 86,300千円、間接経費: 25,890千円)
2006年度: 24,310千円 (直接経費: 18,700千円、間接経費: 5,610千円)
2005年度: 27,690千円 (直接経費: 21,300千円、間接経費: 6,390千円)
2004年度: 27,690千円 (直接経費: 21,300千円、間接経費: 6,390千円)
2003年度: 32,500千円 (直接経費: 25,000千円、間接経費: 7,500千円)
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研究概要 |
本研究において,野村グループでは,小胞体に存在する蛋白質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)が細胞内で生成される一酸化窒素(NO)によってS-ニトロシル化され,機能が消失されること,またこのS-ニトロシル化PDI(SNO-PDI)の変異体を用いた解析から,PDIのN末端およびC末端に存在するチオレドキシン様ドメイン中に存在する活性に必須なCys残基が標的であること,この修飾はPDIの酵素活性を著しく低下させることを示した.初代培養神経細胞をNMDA処理した際にもSNO-PDIが認められ,このとき,細胞死に先んじたポリユビキチン化蛋白質の蓄積とUPRの活性化(xbp-1のスプライシングとchop誘導)が起こった.さらに,SNO-PDIはヒト弧発性神経変性疾患患者脳においても強く検出された.以上より,神経細胞における酸化ストレス,とくにNOによる蛋白質S-ニトロシル化は蛋白質の品質管理を担う小胞体ならびに周辺部での酵素の機能を著しく変化させることにより変性蛋白質の蓄積をもたらし,その結果,神経細胞死ならびに神経変性疾患を惹起することが示唆された. 高橋グループでは,またPael-Rを発現するアデノウイルスをパーキンノックアウトマウスに導入することにより,黒質ドパミンニューロンがPael-Rの毒性に対して脆弱であること,本マウスの細胞死は小胞体シャペロンORP150の過剰発現,ノックアウトでそれぞれ改善,増悪することを明らかにした.さらにパーキンノックアウトマウスとPael-Rトランスジェニックマウスを交配して作出したマウスでは,小胞体ストレスが生じ,黒質および青斑核のカテコールアミン作動性ニューロン選択的脱落とミトコンドリア複合体Iの活性低下を認められた.この結果は,小胞体ストレスとミトコンドリアを結びつける注目すべき結果である.
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