研究分担者 |
長谷川 隆三 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20274483)
谷口 秀夫 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70253507)
藤田 博 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (70284552)
峯 恒憲 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (30243851)
日下部 茂 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (70234416)
|
配分額 *注記 |
52,390千円 (直接経費: 40,300千円、間接経費: 12,090千円)
2005年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2004年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2003年度: 36,660千円 (直接経費: 28,200千円、間接経費: 8,460千円)
|
研究概要 |
本研究では,細粒度マルチスレッディング原理を徹底した並列分散処理アーキテクチャについて,スレッドレベル並列処理プログラミングモデルと記述言語・処理系,細粒度マルチスレッド処理プロセッサ(FUCE),OS核等の研究を行った.具体的な成果内容は以下の通り. (1)スレッドレベルの並列処理を記述するプログラミングモデルを明らかにし,C言語に準じた記述言語とFUCEマシン語へ翻訳する言語処理系の構成法を明らかにし,スレッドレベル並列処理,関数/プロセス間並行処理,排他資源アクセス制御,データ並列処理,ストリーム処理などのプログラムを従来型言語に比べて統一手法で比較的容易に記述できることを確認した. (2)FUCEプロセッサのハードウェア設計を行ってFPGA上にFUCEエミュレータマシンとしてハードウェア実装するとともにソフトウェアシミュレータを開発してベンチマーク評価を行い,細粒度マルチスレッディングがデータ並列・パイプライン並列融合処理,複数タスクの並行処理,ストリーム処理等,従来プロセッサでは効率的な処理が困難な並列処理問題に対して有効であることを明らかにした. (4)同時にFUCEプロセッサのハードウェア量を評価して,現在の商用プロセッサと同程度のコストで実現可能であることを明らかにした. (5)細粒度マルチスレッド処理に基づくOS核機構について,並行プロセスの実行制御とスケジュールの手法,外部イベント処理の手法を究明し,OS核が簡潔な構造で実現できることを明らかにした. 本研究の目的は,並列分散処理のための新しいアーキテクチャおよびソフトウェアの基本機構(カーネルウェア)について基礎的な研究を行い,そのカーネルウェアが実現性・実用性の点で現実的であることを示すことであったが,その目的はほぼ達成できた.今後は,実臾マシン開発に向けて,記述言語・処理系の完備化,細粒度マルチスレッド処理OSの開発,大規模実用ベンチマークプログラムによる評価を進めていく.
|