配分額 *注記 |
51,090千円 (直接経費: 39,300千円、間接経費: 11,790千円)
2005年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2004年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2003年度: 20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
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研究概要 |
本研究では,空間把握効率を上げるため,複数のカメラを使用し実時間で視点移動と障害物を除去する手法を提案し実証を行った.都市空間を主とした実環境での使用を前提とし,提案手法にはカメラ配置に対する柔軟性を要求した.カメラ配置に対する柔軟性と処理の実時間性を考慮し,射影変換を利用した手法を提案した.その際,特徴点のクラスタリングとそれに基づいた画像の領域分割を行うことで,単一平面としてではなく複雑な背景にも対応できる射影変換を行った. 提案手法を実装した撮影システムによって,実環境下で提案手法の実験を行い,提案手法の視点移動と障害物除去に対する有効性,処理時間,カメラ配置に対する柔軟性を検証した.撮影システムは,映像を撮影するカメラノード部と画像を統合し障害物除去映像の生成と提示を行う統合PCから構成される.各々のカメラノード部と統合PCはイーサネットで結ばれ,全体でギガビットネットワークを形成するクライアントサーバ型ネットワークシステムである. まず,屋外環境で取得された画像に対し提案手法を適用し,視点移動と障害物除去は概ね良好な結果を示すことができた.また,カメラ台数を変化させ実験を行った結果,使用するカメラが数台の場合,フレームレート7〜10[fps],遅延時間160〜200[msec]となり,実時間性を維持することが可能であった.更に,カメラ配置に関しては,1.障害物の背後を捉えていること,2.特徴点の対応付けができること,の2つの条件を満たせば理論上は提案手法による障害物除去が可能である.カメラ配置パターンを変えて実験を行った結果,提案手法がカメラ配置に対して柔軟性を持っていることが示された. 本研究で提案した障害物除去アルゴリズムは,大量のカメラに対して適用することで広域での実時間障害物除去を実現することが可能である.監視カメラやライブカメラなど実際に環境に設置されているカメラを利用することで,広域における人物監視などの具体的な応用が期待出来る.
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