配分額 *注記 |
50,830千円 (直接経費: 39,100千円、間接経費: 11,730千円)
2005年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2004年度: 18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2003年度: 17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
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研究概要 |
本研究では,ヒューマノイドの全身ダイナミック行動における「コツ」と「目の付け所」を,行動の動力学と情報構造における「疎な制御介入点」と「疎な制御情報抽出点」と捉え,これらを実験的に解明し,理論化し,応用例を構成することを目指し,以下の成果をあげた. 1.人間全身行動スキルの「コツ」と「目の付け所」の解明:ダイナミック起き上がり動作を対象とし、人間の運動計測・解析,および,動力学モデルでの解析とシミュレーション実験等を総合し,動力学的状態軌道の大域的構造と動作の成功条件との関連を明らかにした(「コツ」の解明).また,人間が他者の動作を観察・認識して成功・失敗の判定を行う際にも,同様な点に着目していることを実験で定量的に明らかにした(「目の付け所」の解明). 2.等身大ヒューマノイドロボットによる全身ダイナミック動作の実現:等身大ヒューマノイドロボットを用いて,世界で初めて,ダイナミックな起き上がり動作の実現に成功した.多数回の実機実験データを解析し,成功例と失敗例を分ける特徴を定量的に明らかにした.実験に用いたロボットシステムの要素技術として,大きな瞬発力を持つ駆動システム,非常に高速な制御システム,接触動作用分布触覚センサなどを独自に開発した. 3.「コツ」と「目の付け所」の理論と自動抽出手法:上記1.および2.の結果を踏まえ,「コツ」と「目の付け所」の統合理論の検討と自動抽出手法の構築を行った.大域動力学構造(グローバルダイナミクス)の観点からは「コツ」と「目の付け所」が同一であることを指摘し,これが,動作の模倣学習や他者行動を阻害しない介助の基本原理となり得ることを提示した.また,状態軌道群の構造を手がかりに自動的に「コツ」を捉えた動作制御戦略を生成する手法を提案し,シミュレーション実験で有効性を確認した. 以上,「コツ」の初めての科学的解明,画期的なロボット動作の実現などを含む成果は,国際論文誌,国際会議等で発表し,高い評価を得ると共に,マスメディアでも広く取り上げられた.
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