研究課題/領域番号 |
15200031
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
北澤 茂 順天堂大学, 医学部, 教授 (00251231)
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研究分担者 |
中里 泰三 , 医学部, 講師 (80155697)
高橋 俊光 , 医学部, 助手 (00250704)
和田 真 , 医学部, 助手 (20407331)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
44,720千円 (直接経費: 34,400千円、間接経費: 10,320千円)
2005年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2004年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2003年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
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キーワード | 時間順序判断 / 体性感覚 / 時間認知 / fMRI / ヒト / マウス / c-Fos / 高次機能 / c-fos / ラット / 免疫組織化学 |
研究概要 |
脳のニューロン間の信号の伝達には時間がかかり、しかも多数のループがあるので、信号の前後関係は逆転しやすい。しかし、信号の順序の誤りは生存を脅かす可能性があるから、脳の中には、時間を安定に表現するための何らかの原理が隠されているはずだ。我々は、特に右手と左手に加えた刺激で生じる信号を脳がどこでどのようにして順序付けるかを明らかにすることを目的として研究を行った。心理物理学的研究では、触覚刺激が視覚刺激と共通の空間座標系に位置付けられてから順序付けられるという我々の仮説を支持する成果が得られた。非侵襲脳活動計測では、時間順序判断課題で対象課題よりも有意に大きな活動を示した領域が、両側の中側頭回、運動前野、下前頭回、下部頭頂葉、左の2次体性感覚野に見出された。閉眼して計測したにもかかわらず、視覚的な動きに応じる中側頭回や、空間座標系が表現されている頭頂葉、運動前野、前頭回に時間順序判断特異的な活動が生じている点が注目された。さらに、マウスに関して時間順序判断の実験系を開発し、細胞レベルの時間順序判断機構の解明を目指した。その結果、時間順序判断を経験したマウスでは、一次体性感覚野の2-3層や2次体性感覚野、2次聴覚野にc-Fosの集積が多いことが明らかになった。これらの結果から我々は、左右の皮膚からの信号は、一次体性感覚野を経由した後、1)異種感覚が収束する「動き」の領域で「動き」として表現される一方、2)「空間」を表現する領域で「空間」内の2つの信号として位置づけられ、3)最後に両者を統合して時間順序が再構成される、と推定する。
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