研究課題/領域番号 |
15201003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 東京海洋大学 (2004-2006) 東京海洋大学(水産) (2003) |
研究代表者 |
STRUSSMANN C.A. (STRUSSMANN C.A) 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (10231052)
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研究分担者 |
渡邊 精一 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (40106753)
山下 倫明 水産総合研究センター, 中央水産研究所, 室長(研究職)
大竹 二雄 東京大学, 海洋研究所・国際沿岸海洋研究センター, 教授 (20160525)
PARHAR I. S. (PARHAR I.S.) 日本医科大学, 生理学第一講座, 講師 (10271339)
中村 將 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (10101734)
YAMASHITA M. Fisheries Research Agency, National Research Institute of Fisheries Science, Biochemistry and Food Technology Division, Senior Researcher
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
37,960千円 (直接経費: 29,200千円、間接経費: 8,760千円)
2006年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2005年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2004年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2003年度: 14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
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キーワード | 地球温暖化 / 再生産 / 魚類 / 水温 / 性分化 / 生殖腺 / 耳石 / 温度履歴 / 性決定 / 生殖腺刺激ホルモン / アロマターゼ / 生殖細胞 / アポトーシス / 性特異的マーカー |
研究概要 |
本プロジェクトでは、魚類の性決定の遺伝的・環境(温度)的仕組みおよび高温による配偶子形成障害現象を科学的観点から解明し、地球温暖化がもたらす魚類資源の再生産への影響の予測・モニタリング技術の開発を最終目的とした。まず、温度による性決定するプロセス(温度依存型性決定機構、TSD)における細胞・組織学的、内分泌学的、分子生物学的、脳神経学的機構について調べた結果、発生初期のペヘレイとゼブラフィッシュにおける高温曝露は生殖腺細胞のアポトーシスを誘発し、精巣への分化を制御していることが分かった。メダカにおいても、発生段階36期(受精後6日目)までの水温は27℃以上で高くなる程、雄へ性転換する遺伝的雌の割合が上昇し、34℃において全てが雄になる。さらに、高温の刺激は、本来艀化後にしか発現しないとされているメダカの精巣関連遺伝子DMRT-1を胚発生の初期に遺伝的雌個体にも発現させること、雄において精巣の分化を促すとされているDMY遺伝子発現と同じ役割を果たしうることを示した。一方、TSDにおけるステロイドホルモンの関与を調べるために、ペヘレイのCYP19A1アロマターゼ遺伝子およびエストロゲン受容体α、βをクローニング、構造解析、発現分布(組織)および飼育水温における発現量の変化を調べたところ、高温はアロマターゼ遺伝子の発現を抑制することが判明した。また、メダカの性決定時における低水温・高水温とエストロゲンの間にそれぞれ相乗作用・拮抗作用が認められた。一方、TSDにおける視床下部・下垂体の役割を調べるため、ペヘレイの脳型アロマターゼならびに生殖腺刺激ホルモン(FSH・LH)のβサブユニットとその受容体(FSHr・LHr)遺伝子のクローニングと構造解析を行った。さらに、性分化時期におけるその発現動態を明らかし、TSDに視床下部・下垂体が関与していることが示唆された。加えて、本研究では高温起因の生殖細胞と生殖腺退行変性の細胞・組織学的、生化学的、分子生物学的機構を精査し、ペヘレイの若年魚におけるアポトーシスの誘導ダイナミクスを解明した。最後に、魚類資源の再生産機構に及ぼす温暖化の影響の予測・モニタリング技術について、性特異的AFLPマーカーや高温曝露の分子生物学的インディケータ、さらに耳石の微量元素分析による個体レベルの温度履歴推定方法を開発した。
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