研究課題/領域番号 |
15201047
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上村 大輔 名大, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00022731)
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研究分担者 |
北 将樹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (30335012)
有本 博一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60262789)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
35,360千円 (直接経費: 27,200千円、間接経費: 8,160千円)
2004年度: 17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2003年度: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
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キーワード | 複雑系天然有機分子 / 海洋産共生微生物 / 超炭素鎖分子 / 被覆カイメン / 細胞毒性 / 抗骨粗鬆薬 / 単離、構造決定 / 化学合成 |
研究概要 |
最近、複雑な構造や特異な生物活性をもつ有機分子の多くが、海洋動物自身ではなく食物連鎖の関係か、共生の関係にある微小藻類が産生していることが呈示され、海洋産共生微生物の培養による化合物の供給も発展している。しかし、その生合成の機構や、生体内における必要性・存在意義など、まだ明らかにされていない問題は多い。一方、まだ我々の目に触れていない有用生物活性分子群も数多く存在し、新規有用天然分子の発見、創製、およびその機能解明は今後のますます重要課題となっている。このような背景から、「複雑系」天然有機分子の構造と機能の解明を目指した。 サンゴに被覆して侵食する沖縄産カイメンTerpios hoshinotaより、極微量で強力な細胞毒性(IC_<50>=0.01μg/mL)を示すナキテルピオシンを単離した。各種スペクトルデータの解析および新モッシャー法により、その絶対立体構造を決定した。サンゴ礁保全に寄与する鍵物質として期待される。また、海洋動物ヒラムシに共生する渦鞭毛藻を大量培養し、分子量2,959のカルシウムチャネルを活性化する超炭素鎖分子シンビオジノライド、および破骨細胞の分化抑制活性を示す、両性イミニウム化合物シンビオイミンを単離し、構造を決定した。シンビオイミンは抗骨粗鬆薬として期待される。最強の海産毒パリトキシンにフラーレン分子を導入してSTMで解析する新手法を開発し、Na^+,K^+-ATPaseに対するパリトキシンの機能を明らかにした。さらに、腔腸動物イワスナギンチャクの共生微生物に分子量5,051の巨大分子が存在することを見い出した。この分子は従来の海洋生物毒を凌駕する世界最大の超炭素鎖分子である。また、沖縄産二枚貝由来のアルカロイドであるピンナ酸、およびカイメン由来の抗腫瘍性マクロリドであるハテルマライドNAの全合成を達成した。海洋性細菌より得られた新規セスタテルペン、マンギコール類については、渡環型Diels-Alder反応を用いて四環性骨格を一挙に構築することに成功した。
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