研究課題/領域番号 |
15202006
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松浦 純 (2004-2006) 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (70107522)
浅井 健二郎 (2003) 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30092117)
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研究分担者 |
平野 嘉彦 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (50079109)
重藤 実 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (80126078)
イヴァノヴィチ クリスティーネ (イヴァノヴィッチ クリスティーネ) 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 客員助教授 (70376523)
浅井 健二郎 九州大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (30092117)
西村 雅樹 京都大学, 大学院文学研究科, 教授 (60036431)
藤井 啓司 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (60173382)
松浦 純 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70107522)
冨重 純子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40313184)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
23,790千円 (直接経費: 18,300千円、間接経費: 5,490千円)
2006年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2005年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2004年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2003年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 記憶 / 忘却 / メディア / 痛み / ドイツ文学 / 意識 / 身体 |
研究概要 |
この研究では、4年間で計9回の研究会を開催し、のべ63名から研究成果の報告を受け、討論を行った。トピックは次のようなものであった。 ・記憶と身体に関する研究 ・記憶のメディア、メディアと記憶に関する研究 ・集合的記憶と文化的アイデンティティーに関する研究 ・記憶と意識、記憶と無意識、記憶と忘却に関する研究 ・記憶と痛みに関する研究 これらのトピックに関して、具体的な分析対象として取り上げられたのは、ヘルダーリン・ニーチェ・リルケ・カフカ・ベンヤミン・フロイト・レッシング・マン・ゲーテ・グリルパルツァーなどの作家・批評家たちである。 これまでの研究から、広義の「記憶」にあたるドイツ語の類義語はさまざまあり、ドイツ文学に表現された記憶の系列は多岐にわたっていることが明らかになった。記憶とはもともと過去に由来するものだが、文学テクストにおける記憶は、過去・現在・未来という直線的な時間観念とは異なった時間を内包している。また記憶とは元来は個人の機能であるはずだが、その記憶を保ち続けることにより、記憶が集合的な歴史へと拡大されるシステムを持つことも明らかになった。特に「痛み」の記憶は、個人にとっても社会にとっても忘れがたいものであり、文学テクストにおいても痛みの聖化・神秘化・倒錯など、さまざまな表現形式が存在する。 これまでに明らかになった上記のような研究成果をまとめ、さらに今後研究を進めることが必要だと思われる点を検討した。特に「痛み」という文化ファクターの視点からドイツ文学における表現形式を検討することは、この研究では十分にはできなかったので、今後の重要な課題として残ることになった。
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