研究分担者 |
福井 玲 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 助教授 (50199189)
滝沢 直宏 名古屋大学, 大学院国際開発研究科, 教授 (60252285)
山田 久就 小樽商科大学, 言語センター, 助教授 (60345246)
千葉 庄寿 麗澤大学, 外国語学部, 助教授 (70337723)
畑野 智栄 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 助手 (40376520)
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配分額 *注記 |
20,930千円 (直接経費: 16,100千円、間接経費: 4,830千円)
2005年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2004年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2003年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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研究概要 |
この3年間の研究プロジェクトの第一の目的は,ロシアとその周辺諸国における危機言語をはじめとする少数言語の言語資料を電子化するための方法を研究し,そのための実用的なツールを開発するとともに,実際に少数言語の言語資料を電子化することである。この研究において電子化したのは,アヴァル語(ダゲスタン),イテリメン語(カムチャツカ),ウラル諸語(エストニア語,マリ語,ベプス語)などで,言語資料の大部分は,キリル文字系のアルファベットで表記されたテクスト,ないしは,録音資料を音声記号で転写したものである。このようにして電子化された言語資料は,すべて,Unicode(UTF-8)で入力された。この作業のために,Unicode標準4.0で定義されているすべてのウラル音声記号とキリル文字が実装された高品質のOpenTypeフォント(JLOT-FLuralic)を,海外研究協力者(フィンランド)の協力を得て開発した。また,言語資料のXML文書化のための公開セミナーを開催するなどして,XMLに対する知見も深め,言語資料にXML準拠したマークアップを施して,well-formedなXML文書とすることが実際にできる段階まで到達した。この研究プロジェクトで目的とする言語資料の電子化は,少数言語のコミュニティ(地域方言のコミュニティも含む)の言語使用を記録する営み(language documentation)のもっとも基本的な部分をなすものである。熊本県人吉市(球磨方言),沖縄本島(沖縄語)を訪れて,日本国内の地域方言コミュニティの活動家や研究者にあい,地域方言の書きことばの現状や,言語意識に関する情報を収集したほか,北京の中央民族大学,中国社会科学研究院民族研究所を訪問し,中華人民共和国における少数言語事情,少数言語研究に関する情報収集と研究交流を行った。
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