研究課題/領域番号 |
15203002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会法学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
稗貫 俊文 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (70113610)
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研究分担者 |
栗田 誠 千葉大学, 大学院専門法務研究科, 教授 (20334162)
中山 武徳 (中山 武憲) 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (40278388)
瀬領 真悟 同志社大学, 法学部, 教授 (90192624)
向田 直範 北海学園大学, 法学部, 教授 (90104695)
和田 建夫 (和田 健夫) 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20133796)
厚谷 襄兒 帝京大学, 法学部, 教授 (90222637)
今井 弘道 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00093188)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
32,240千円 (直接経費: 24,800千円、間接経費: 7,440千円)
2005年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2004年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2003年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 構造調整 / 市場原理主義 / 開発独裁 / 韓国血縁財閥 / 官製談合 / 自由貿易協定 / 産業政策 / 経済法 / WTOのTRIPs協定 / 競争原理と開発原理 / パテントミスユース / 強制ライセンス / 最貧国(LDC) / HIV / オープンアクセス問題 / 集権的な再分配 / 韓国の農業問題 / 韓国の中小企業問題 / 台湾の競争法 / 中国の独禁法 / 東アジアの知的財産権 / 韓国の競争法 / 日本の独禁法改正 / 東アジア統一市場構想 / 農業団体 / 東アジア自由貿易協定 / WTO / 最恵国待遇の原則 / GATT24条 / 中小企業 / 知的財産権 |
研究概要 |
日本と韓国における産業の構造調整は、中国が驚異的な経済成長を遂げるなか、早期に政府主導の経済発展のレジームから脱して、アメリカ型の市場原理主義に道を開くかのようである。1997年に通貨危機に見舞われ、IMFの監視に置かれた経験を持つ韓国政府は、血族財閥の経済支配が経済危機の元凶であるという認識をもった。開発独裁の産物である韓国型の血縁財閥はその正統性を失った。これを規制することが韓国の構造調整の最大の課題であるといってよい。日本では、政府の行政裁量型を前提とする事前規制から、市場ルールの明確化による事後規制に転換した。検察と公正取引委員会が、官製談合など経済犯罪を積極的に摘発して、裁判所も、ライブドア事件など証券取引に関する経済犯罪に厳罰を科している。 これは台湾や中国とは対照的である。台湾では、最近でも、半導体産業の育成など、産業政策(日本で見られた伝統的な経済成長政策)に占める台湾政府の役割が大きくなっている。中国でも、共産党政権が、伝統的な経済法(政府主導に法的根拠を与えるという、後発国の産業化を特徴づける法制)に依り、漸進的に社会主義市場経済化を進めている。 明らかになったことは、日本や韓国の経済法の立法基盤は、伝統的な産業政策と経済法を消滅させつつあるということである。中国経済の成長に対抗するために、政府主導の経済発展を志向する一群の経済法法制を廃止して、資源配分を市場機能にゆだねるという方向に転換している。それが経済法自体の消滅を意味しないとすれば、それはどのような立法基盤を新たに形成することになるか。それは私達の研究課題というより、自由貿易協定などに関わる両国政府の今後の政策課題である。
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