研究課題/領域番号 |
15203027
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋山 弘子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10292731)
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研究分担者 |
高橋 恵子 聖心女子大学, 文学部, 名誉教授 (40050786)
東 洋 東京大学, 教育学部, 名誉教授 (60012548)
下仲 順子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (70073004)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
30,420千円 (直接経費: 23,400千円、間接経費: 7,020千円)
2005年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2004年度: 11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
2003年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
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キーワード | 発達 / サポート・ネットワーク / 精神的健康 / 日米比較 / 家族関係 / 友人関係 / ライフステージ / 変化と継続 / ソーシャル・サポート / ソーシャル・ネットワーク / 生涯発達 / 縦断研究 / パネル調査 / 世代関係 / 少子高齢化社会 / 縦断的研究 / 国際情報交換 / アメリカ |
研究概要 |
ひとは生涯、周りの人々から助けられ、また助けて生きていく。サポート・ネットワークはひとの生存に不可欠であると同時に、身体的・精神的健康に影響を与えることは広く知られている。本研究では、1992年に横浜市で無作為抽出された8歳から92歳の1,842名を対象に行われた「生涯発達に伴うソーシャル・サポート・ネットワークの変容とその社会的適応における役割の日米比較」の追跡調査を2005年に行い、個人のサポート・ネットワークと精神的健康の13年間の継続性と変容を分析した。同様の調査が米国(デトロイト)でも並行して行われ、文化的比較も行った。 サポート・ネットワークは、従来、家族制度と家族規範によって支えられてきた。家族規範の弱体化、生き方の多様化などの社会変化の進行はサポート・ネットワークに変化をもたらすと予測された。しかし、日米ともに、1992年と2005年のデータに見られるサポート・ネットワークは構造的にも機能的にも継続性が顕著であった。平均世帯人員数は13年間に減少したが、サポート・ネットワークでは依然として、家族の占める割合が大きかった。加齢と共に、親、子ども、友人との関係は概ね良い方向に変化するが、配偶者との関係は幾分悪化する傾向が見られた。概して、家族に加えて友人や近隣者など多様なメンバーによって構成される大きなネットワークが精神的健康の維持・促進に貢献することが示唆された。ライフコースの流れでは、こども時代の母親との関係が成人後の人間関係や精神的健康に影響が大きいこと、成人では、病気や退職など人生のハードルに直面したときには、良好な夫婦関係が精神的健康を支えることが実証的に明らかになった。米国では、ボランティア活動の仲間など、通常のサポート・ネットワークの枠外の関係の拡大と精神的健康への貢献が見られ、今後、幅広い人との緩やかな繋がりの研究の必要性が認められた。
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