研究課題
基盤研究(A)
本研究の主目的は標準光源であるIa型超新星の分光および測光による観測的研究を観測装置開発と共に行い、宇宙膨張の精密測定を実際に行ってみることであった。観測的研究については4年の間にすばる望遠鏡を使った超新星観測プログラムを順調に実施し、2001年から2002年にかけて行ったすばる望遠鏡の超新星観測の追加観測を海外の共同研究者とともに進めると共に、新たにハッブル宇宙望遠鏡を用いた超新星観測により最も遠い超新星について候補を発見し、合計約40個の遠方超新星(うちスペクトル型がIa型に確定したもの15個)を見つけることができた。また比較的近傍の超新星約300個を国際共同研究で発見、そのうち50個以上についてすばる望遠鏡でスペクトルを取得することに成功した。近傍と遠方を比較して宇宙膨張の精密測定を行うことについては現在データを精査・解析中であるが、基礎となるデータとしては質・量ともに画期的なものを取得することに成功した。観測装置開発としては世界で初めて15のバンドで同時に撮像観測のできる多色同時撮像カメラを完成させ、広島大学東広島天文台の1.5mかなた望遠鏡にとりつけて試験観測を行うことに成功した。望遠鏡時間が早期に確保できなかったため、まだ超新星観測は行えていないが、試験観測初期の結果は順調で、適切な超新星が出現次第、観測を実施できる予定である。この装置は同時に将来のダークエネルギー研究を銀河、超新星サーベイで行うにあたっての大型装置の実現の基礎となるものである。また国際共同研究スローンデジタルスカイサーベイにおいて、銀河分布を、宇宙背景放射他のデータとあわせて調べ、宇宙膨張パラメータについて、制限を与えることに成功した。
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