研究課題/領域番号 |
15204034
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
|
研究機関 | 分子科学研究所 (2004-2005) 岡崎国立共同研究機構 (2003) |
研究代表者 |
大森 賢治 分子科学研究所, 電子構造研究系, 教授 (10241580)
|
研究分担者 |
香月 浩之 分子科学研究所, 電子構造研究系, 助手 (10390642)
穂坂 網一 分子科学研究所, 電子構造研究系, 特別協力研究員 (00419855)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
43,420千円 (直接経費: 33,400千円、間接経費: 10,020千円)
2005年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2004年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2003年度: 29,120千円 (直接経費: 22,400千円、間接経費: 6,720千円)
|
キーワード | 波束 / アト秒 / 量子干渉 / コヒーレント制御 / 量子情報 / 量子位相 / 分子 / 量子コンピューター |
研究概要 |
我々は、分子内に発生した2個の振動核波束の量子干渉をほぼ完全に制御し、この干渉の時間発展をリアルタイムに観測することに成功した。このリアルタイム観測によって波束の時間発展が波束を構成する各振動固有状態間の位相関係に敏感であることを実証した。また、このような精密干渉技術を用いれば、分子の振動固有状態のポピュレーションの組み合わせ(ポピュレーションコード)として情報を書き込み、読み出すことができる。本研究では、これらのリアルタイム観測とポピュレーションコードを組み合わせることによって、波束に含まれるすべての量子情報を読み出すことが可能であることを実証した。さらに、このような波束干渉によって分子内に過渡的に発生する量子定在波(量子リップル)を、ピコメートルの空間分解能とフェムト秒の時間分解能で可視化する技術を確立した。ごく最近では、このように可視化された時空間模様(量子ファブリック)を自在に書き換えることにも成功している。 一方、これらの先進的な基盤技術を用いた分子メモリーの開発にも成功した。この分子メモリーは、振動固有状態をビットとして動作する量子メモリーで、各ビットの振幅と位相の両方を書き込んで読み出すことができる。固有状態の重ね合わせ状態を用いれば量子ビットとして動作させることも可能である。さらに、この分子メモリーを量子情報処理に活用するために、量子ゲートと量子アルゴリズムの開発を行った。これら一連の成果は、分子を媒体とする光位相メモリーや量子コンピューターの可能性を示唆する。
|