研究分担者 |
須藤 靖明 京都大学, 理学系研究科, 助教授 (40025466)
大倉 敬宏 京都大学, 理学系研究科, 助教授 (40233077)
金嶋 聰 (金嶋 聡) 九州大学, 理学研究院, 教授 (80202018)
山本 希 東北大学, 理学系研究科, 助手 (30400229)
橋本 武志 北海道大学, 理学系研究科, 助教授 (70283588)
及川 純 東京大学, 地震研究所, 助手 (40262084)
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配分額 *注記 |
41,860千円 (直接経費: 32,200千円、間接経費: 9,660千円)
2006年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2005年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2004年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2003年度: 20,280千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 4,680千円)
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研究概要 |
本研究では,火山の噴火に伴うマグマ・ガズ・水などのものの流れを主に地震学的にとらえることで,阿蘇火山の噴火の準備過程,噴火過程,終息過程における物質の移動を定量化し,噴火のダイナミクスの理解を深めること,さらに阿蘇火山における将来の定量的火山噴火予測への道しるべとすることを目標としている.すでに判明している火山活動静穏期にみられる火山構造とその活動機構が,火山活動期にどのような変動を示すかを把握することを目指し,具体的には次のような目標を掲げた:(1)マグマ溜まりの変動把握(マグマ溜まりへのマグマの蓄積過程,あるいはマグマ溜まりから火口へ移動の検出)および定量化,(2)火道を通過するマグマ流動(上昇)・噴火時における高速ガス・土砂流等の検知および定量化,(3)長周期微動源(圧力源)の変動のリアルタイム・モニタリングによる地表表面(噴火)活動の予測. 上記の目標を達成するために,(1)中央火口丘周辺の10カ所でGPSによる連続観測をおこない,国土地理院の3観測点を含む計14点でマグマだまりの圧力変動をモニターした.(2)ガスの流れ等のモニターのため,短周期地震計アレイ観測を頻繁におこなった.(3)広帯域観測網をテレメータ化し,長周期微動源のリアルタイムモニターを開始した. 幸か不幸か,研究期間中に阿蘇山が活動期に入らなかったため,噴火に至る過程は観測できなかったものの,(1)アレイによる火山流体の高速移動の観測と発達した浅部火道システム存在の実証,(2)長周期微動(卓越周期15秒)と孤立型の短周期微動の関連を明らかにし,阿蘇火口直下の熱水系と一連の火山性微動を統一的に説明するモデルを構築,(3)境界積分法に基づく火山性微動解析の普遍的ツールの開発等,数多くの成果が得られた. 今後は,構築された観測網を維持し,阿蘇火山の活動期をとらえ当初の目標体制を継続的に目指す.
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