研究課題
基盤研究(A)
1.MgAl_2O_4-Mg_2SiO_4系、MgAl_2O_4-NaAISiO_4系及びKAlSi_3O_の高圧相平衡関係を調べ、カルシウムフェライト相、六方晶系相、ホランダイト相の安定領域を高圧実験、熱測定、ラマン分光に基づく格子振動モデルにより決定した。2.^<27>Al-NMR分光とX線Rietveld解析により、MgSiO_3-MgAlO_<2.5>系ペロブスカイト型固溶体では、Mg^<2+>+Si^<4+>=2Al^<3+>の置換と2Si^<4+>+O^<2->=2Al^<3+>+V^0の置換(V0は酸素欠陥)の両方が起こることを解明し、酸素欠陥の無秩序分布を明らかにした。3.CaMgSi_2O_6、CaSiO_3及びCaTiSiO_5-CaSi_2O_5系の詳細な高圧相関係を高圧実験によって決定し、さらに新たに開発した高温熱量測定法によりそれらを精密化した。Caと同族元素であるSrのケイ酸塩SrSiO_3の高圧相関係も決定し、SrSiO_3六方晶ペロブスカイト、BaGe_2O_5III型SrSi_2O_5高圧相の存在を明らかにした。4.種々のA^<2+>B^<4+>O_3型ペロブスカイト型高圧相の安定領域を高圧実験で決定し、同時に生成エンタルピーを測定した。その結果、生成エンタルピーとA^<2+>、B^<4+>のイオン半径間に明瞭な相関関係があることが明らかになり、未知のペロブスカイト高圧相の生成エンタルピーと生成圧力の予測が可能になった。5.Mg_2SiO_4変型スピネル、スピネル相の標準エントロピーを測定し、オリビン-変型スピネル-スピネル転移、ポストスピネル転移の相境界線を計算した。ポストスピネル転移は深さ660kmの圧力下で1900K程度の温度で起こることが示され、660km不連続面がポストスピネル転移に対応するという説の正当性が確認された。6.CalrO_3のポストペロブスカイト転移の高圧相平衡関係を高圧実験、熱測定実験で決定し、相境界線がMgSiO_3と同様に強い正の勾配を持つことを確立した。
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