研究課題/領域番号 |
15204051
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球宇宙化学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
清水 洋 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60090544)
|
研究分担者 |
高橋 嘉夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10304396)
鈴木 勝彦 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (70251329)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
39,130千円 (直接経費: 30,100千円、間接経費: 9,030千円)
2005年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2004年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2003年度: 32,240千円 (直接経費: 24,800千円、間接経費: 7,440千円)
|
キーワード | 白金族元素 / Re-Os同位体系 / 化学状態 / 地殻物質循環 / 鉄隕石 / 堆積物 / XANES / 環境変遷 / XAFS / マルチトレーサ / 海水 / Os同位体比 / 海洋環境 / ペルム紀-三畳紀境界 / チャート / 白金鉱石 / EXAFS / 地殻物質 |
研究概要 |
白金(Pt)やオスミウム(Os)など白金族元素やレニウム(Re)の、濃度ならびに化学状態の研究、および白金族元素に関連するRe-Os同位体系の研究により、地球表層の物質循環と地球表層環境の変遷を明確にすることが、本研究の大きな目的である。 1.地殻物質のRe-Os同位体系データ Re-Os同位体系の研究により、中国タクラマカン砂漠の風成堆積物の主要な供給源が、周辺部の氷河堆積物、河川堆積物、チベット高原の土壌であることを明らかにした。さらに、砂漠内部での風成堆積物の均質化過程の重要性を示した。また、黄土のRe-Os同位体系データが、大陸地殻物質のRe-Os同位体系の特徴を表していることを示した。 2.鉄隕石中の微量のOsの化学状態の決定 XANES法によりIIAタイプの鉄隕石Negrillos中のOs(濃度65ppm)は、金属相として存在していることを分光学的に示した。天然試料のppmオーダーのOsの化学状態に関する、最初の研究成果である。 3.海洋環境におけるOs同位体比の時代変遷の解明 ペルム紀一三畳紀境界(P-T境界、約2億5千万年前)は、大規模な生物絶滅の時期として知られている。P-T境界に海底で堆積した秩父帯南帯チャートの研究により、^<187>Os/^<188>Os比は下部ペルム紀の約2億7千万年前から、当時の定常的な海水の^<187>Os/^<188>Os比(0.4-0.6)よりも低い0.1-0.3の値に下がり、この低い値がP-T境界において、さらには下部三畳紀の約2億4千万年前においても継続していることが判明した。P-T境界における環境変動の要因として、隕石衝突説よりも大規模火成活動説の方が妥当と考えられる。 4.海水から堆積物へのReとOsの除去過程の解明 Reは、還元的環境ではわずかに堆積物へ移動し、酸化的環境では海水中に溶存したままである。一方、Osは、広範囲の酸化還元状態において、海水から堆積物へ除去されることを明らかにした。
|