研究課題/領域番号 |
15205004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中原 勝 京都大学, 化学研究所, 教授 (20025480)
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研究分担者 |
松林 伸幸 (松林 信幸) 京都大学, 化学研究所, 助教授 (20281107)
岡村 恵美子 京都大学, 化学研究所, 助手 (00160705)
若井 千尋 京都大学, 化学研究所, 助手 (40293948)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
43,420千円 (直接経費: 33,400千円、間接経費: 10,020千円)
2005年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2004年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2003年度: 29,120千円 (直接経費: 22,400千円、間接経費: 6,720千円)
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キーワード | 拡散定数 / 高分解能NMR / 超臨界水 / イオン / 輸送現象 / 窒化アルミ / 高温高圧 / 電気伝導度 / 超臨海水 |
研究概要 |
本研究の目的は、高温高圧極端条件にある超臨界水・水溶液の拡散現象を直接観察・解析する方法論を開拓・確立することである。この目的のために、電荷の有無に関わらず、どのような原子核種・化学種に対しても適用可能で、400℃以上の高温でも安定で精密に作動する高温拡散NMRプローブを世界に先駆けて開発した。これまで、超臨界水溶液の輸送現象の系統的な解析は、電気伝導度測定にほぼ限られてきた。しかし、電気伝導度測定は、イオン性の溶質に対してのみ適用可能である。超臨界水中では、イオンの会合度が増大するために、高精度の測定・解析は非常に困難であり、分子レベルの知見は得られない。本研究で開発した高温拡散NMRプローブによって、超臨界水溶液の拡散現象の系統的な解析が可能となった。500MHzの高磁場下での測定によって、Debye-Huckel理論の守備範囲であるサブmMのオーダーでの拡散係数決定を行うことができ、また、測定可能な分子種の制限を取り除いた。 本研究で開発した高温拡散NMRプローブの最大のポイントは、ラジオ波を当てて観測するサンプル部分の上下に、直熱ヒーターを対称に配置し、NMRサンプルホルダーとして、熱伝導性に優れ非磁性の窒化アルミ材を採用し、プローブの上下を貫通させた。今回の改良によって、温度の均一性は1-2℃にまで向上した。また、プローブはtunableとし、^1H核から^<14>N核までを1本のプローブで測定できるようにした。その後、H_2OおよびD_2Oの高温高圧拡散測定を行った。400℃の超臨界状態で、0.001g/cm^3に及ぶ低密度領域での測定が可能であることを実証した。これは、装置の感度・安定性の高さを示す。気液共存曲線上および400℃の超臨界状態で、測定を行い、10%程度以内の効果である水の拡散定数の同位体効果を決定することに成功した。
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