研究課題/領域番号 |
15205020
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物質化学
|
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
小夫家 芳明 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (80026195)
|
研究分担者 |
佐竹 彰治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (00277831)
小川 和也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (50335486)
釘宮 愼一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (60183795)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
50,310千円 (直接経費: 38,700千円、間接経費: 11,610千円)
2006年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2005年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2004年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2003年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
|
キーワード | ポルフィリン / フタロシアニン / 超分子 / 人工光合成 / 二光子吸収 / 光線力学療法 / 分子エレクトロニクス / 光補集アンテナ系 / 自己配位組織化 / 電荷分離系 / 過渡吸収測定 / 光増感 / 光捕集アンテナ系 / 自己組織化 / 反応中心 / エネルギー移動 / 光電流効率 |
研究概要 |
本年度は人工スペシャルペアを単位とした光捕集アンテナ系、電荷分離系、光電変換系の構築に取り組み、下記の成果を得た。 人工スペシャルペアをビスエチニレン-m-フェニレン基で連結した環状5量体C-EP5と環状6量体C-EP6(12.8ps)^<-1>におけるリング内の励起エネルギーホッピング速度を超高速レーザー分光を用いて調べたところ、それぞれ(21ps)^<-1>、(12.8ps)^<-1>と見積もられ、距離で有利な5量体よりも配向要素で有利な6量体の方が速いことが明らかとなった。いずれも一重項励起状態の寿命に比べ、数百倍の速さで励起エネルギー移動することができる。また、これらのポルフィリン環状体の高分解能STM像観察に成功した。 人工スペシャルペアのメソ位にフタロシアニンを直接連結した化合物を合成し、光ダイナミクスを過渡吸収スペクトルを用いて調べたところ、ポルフィリン部、フタロシアニン部のいずれを励起してもフタロシアニンのカチオンラジカルが観測され、電荷分離が効率よく起こることがわかった。これはポルフィリンを励起した場合、フタロシアニンへの定量的な励起エネルギー移動を経て、フタロシアニンからポルフィリンへの電子移動により電荷分離状態が形成される。人工スペシャルペア構造がアニオンラジカルを安定化させる役割を担っていることが明らかとなった。 人工スペシャルペアに各種官能基をつけ、表面をTiOH修飾したITO電極に分子を修飾し光電流発生の量子収率を調べたところ、ホスホン酸>カルボン酸>チオールの順で量子収率が高いことを明らかにした。また、Soret帯を励起した際にQ帯よりも2倍程度大きな量子収率を与えたことから、この系ではS2状態から直接電極へ電荷注入が起こっていることが明らかとなった。また、人工スペシャルペアの電極と反対側の部位に電子ドナーとしてフェロセン基を導入するとカスケード型電子移動により再結合過程が抑えられ、Soret帯励起による光電流の量子収率が19%に達した。
|