配分額 *注記 |
44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)
2005年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2004年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2003年度: 27,950千円 (直接経費: 21,500千円、間接経費: 6,450千円)
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研究概要 |
1.微細加工技術を用いたナノ領域への高密度スピン注入 (1)収束イオンビームおよび電子線リソグラフィを用い,絶縁層にMgOを用いることにより,最小100x200nm^2のトンネル微小接合を作製し,抵抗x面積値6Ωμm^2,磁気抵抗比90%を得た. (2)上記素子においてスピン注入磁化反転を観測することに成功した.反転に要した電流密度は7.7x10^6A/cm^2であり,熱処理温度の上昇とともに反転電流は増大した. 2.素子界面におけるスピン緩和 (1)強磁性体(FeNi)/非磁性体(Cu, Ru, Pt),および,FeNi/Cu/Pt積層膜の強磁性共鳴スペクトルを測定し,共鳴線幅より緩和時間およびスピン拡散長を見積もった.Cu内におけるスピン拡散長は室温で約350nm,液体ヘリウム温度で約1000nmであることがわかった. (2)強磁性体(FM)/Cu/CoFe積層膜の強磁性共鳴スペクトルを測定し,それぞれの磁性体の共鳴線幅の増大率を測定した.FMがCoFeBの場合,CoFeの線幅は大きく上昇しCoFeBの線幅の増大率は小さかった. 3.コプレーナ線路からの高速パルス磁界応答信号測定 (1)トンネル接合においてパルス電流を用いたスピン注入磁化反転の応答信号測定システム(パルス幅が1μs,パルス電流の最大値が20mA)を製作した.また,トンネル接合の反転電流のパルス幅依存性を調べ,パルス幅の減少により反転電流が増大することを実験的に明らかにした. (2)500psよりも更に速い時間スケールの磁化の変動を測定するため,ポンププローブ測定が可能な光学系を構築した.180x90μm^2のパーマロイ薄膜の磁化の才差運動によるシグナルを測定し,ダンピング定数α=0.008を得た. (3)積層フェリ構造の磁性層のダンピング定数はFeNi単層膜と比較して増大することを明らかにした.
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