配分額 *注記 |
40,300千円 (直接経費: 31,000千円、間接経費: 9,300千円)
2005年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2004年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2003年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
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研究概要 |
本研究は,近接場光学顕微分光法(SNOM-PL)によってInGaN/GaN系量子井戸のナノ領域での発光再結合過程を解明・制御し,ダイオード,レーザダイオード,新蛍光体の発光効率,波長域拡大などの特性を飛躍的に向上させることを目的としている。そのためには,三次元的な微小構造を利用した高効率発光素子や多色発光素子などを作製し,SNOM-PLによって明らかにされた基礎物性をフィードバックさせることによって研究を推進している。具体的には,以下の主要な知見が得られた。 (1)原子間力顕微鏡(AFM)とSNOM-PLの複合化によって転位と非発光領域の相関や弱発光領域まわりでのポテンシャル揺らぎの存在をマッピングすることに成功した。さらに,マルチモードSNOMと時間分解PLを併用することにより,弱発光領域およびその近傍において,ポテンシャルエネルギーが高くなっており,その周りのポテンシャルの非等方的な揺らぎによってキャリアの拡散方向や拡散長が制限され,その結果として非発光中心への捕獲確率が抑制されているという機構が明らかにされた。 (2)C面のサファイア基板上に成長したGaNエピ層を反応性イオンエッチングによってストライプ状に加工し,それをテンプレートとして再成長することで,新たに,[1122]ファセットが形成されることがわかった。このファセットの上に形成された量子井戸からの発光内部量子効率は,他のどの面からよりも高く,ピエゾ電界が大幅に低減されると共に,非輻射再結合中心の低減された高品質活性層が形成できることが示された。その結果,可視全域で高い効率で発光するマイクロレインボー構造が開拓された。
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