研究課題
基盤研究(A)
光ファイバの波長分散(群速度分散)とは、光の伝搬速度の波長依存性であり、光ファイバ通信における伝送品質劣化を支配する主たる要因となっている。光信号が光ファイバ中を伝搬するに従い蓄積し、累積分散値がある許容値(分散耐力)を超えると大きな波形歪が生じる。このため、ビットレートが10Gbit/sを超えるような高速伝送システムにおいては、総分散値が分散耐力を超えないように数十km毎に分散補償するような分散マネジメント技術が用いられている。しかし、光ファイバの分散値は温度変化等の外乱の影響を受けるほか、光ネットワークにおいては動的に経路が切り替わるごとに累積分散が変化する。特に後者の影響は甚大で、隣接ノード間の伝送路が分散耐力内に収まっていたとしても、ネットワークを構成する任意の2点を結ぶ経路の累積分散が分散耐力内に収まる保証はまったくなく、経由するノード数が多くなるにつれて静的な補償技術では対応が困難になる。今後、基幹伝送網のよう大規模な光ネットワークを高いビットレートで安定に運用するためには、適応分散等化技術が成否の鍵を握ると考えられる。本研究では、動的に経路が切り替わるような光ネットワークにおいて使用に耐えうる適応分散等化システムを実現することを目的に研究を行い、以下のサブテーマに分割して検討を進めた:(1)光周波数変調法による高速分散モニタ装置の開発、(2)光スペクトル位相を用いた光パルスモニタの開発と分散モニタへの応用、(3)光ファイバおよび可変分散補償器の分散評価、(4)高速・長距離伝送システムにおける分散モニタ、および適応分散等化の試験。以上の研究により高速・高精度な分散モニタに関する問題点とその解決法が具体的に示され、伝送システムにおけるデモンストレーションを通じて安定な伝送を実現するための指針を得ることが出来た。おおよそ所期の成果を収めることができたと考えている。
すべて 2005 2004 2003 その他
すべて 雑誌論文 (18件) 産業財産権 (1件) 文献書誌 (2件)
IEEE Photonics Technology Letters 17(3)
ページ: 648-650
IEE Electronics Letters 41(7)
ページ: 399-400
IEICE Transaction on Electronics : C E88-C(5)
ページ: 904-911
レーザ研究(レーザ学会会誌) 33(2)
ページ: 89-94
10014357391
IEEE Photon.Technol.Lett. vol.17, no.3
IEE Electron.Lett. vol.41, no.7
IEICE Trans.on Electronics vol.E88-C, no.5
The Review of Laser Engineering vol.33, no.2
IEICE Transaction on Electronics : C (発表予定)
IEE Electronics Letters (発表予定)
IEEE/OSA J.Lightwave Technol. 22(1)
ページ: 257-264
Journal of Optics B 6(8)
ページ: 746-756
IEE Electronics Letters 4(8)
ページ: 1103-1104
IEEE/OSA J.Lightwave Technol. vol.22, no.1
ページ: 257-265
IEE Electron.Lett. vol.4, no.18
Journal of Optics B. vol.6, no.8
IEEE Photon.Technol.Lett. 15(6)
ページ: 870-872
IEEE Photon.Technol.Lett. vol.15, no.6