研究課題/領域番号 |
15206047
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣瀬 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70199115)
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研究分担者 |
酒谷 誠一 日本学術振興会, 東京大学(平成15年度のみ分担・16年度に転出), 特別研究員(DC2)・大学院・生 (40391958)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
28,860千円 (直接経費: 22,200千円、間接経費: 6,660千円)
2005年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2004年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2003年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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キーワード | レーダ / 干渉計測 / 3次元イメージング / 地雷探知 / 複素ニューラルネットワーク / テクスチャ / アンテナ / マルコフ・ランダム・フィールド / 2次元イメージング / 直線テーパ型スロットアンテナ / 直交ホモダイン検波 / 直接カップリング / 対人プラスチック地雷探知 / 自己組織化マップ / ミリ波レーダ・イメージング / 自己組織化マップSOM / 周波数領域テクスチャ / 特徴ベクトル |
研究概要 |
本研究は、われわれが提案し世界をリードしている「複素ニューラルネットワーク」の理論に基づいて、対人プラスチック地雷を適応的に可視化するレーダシステムを構築することを目的として進められた。このレーダシステムは、人間の脳に似た機能を持ち、しかし一歩進んで、人間が持たない複素振幅情報を適応的に扱う能力を持ったニューラルネットワークを核としている。その結果、これまで事実上不可能であった浅く(0〜3cm)埋設されたプラスチック地雷の可視化に成功した。現在は次段階の研究であるフィールド試験(地雷原に似た状況での模擬地雷可視化)の計画を進めている。 構築・開発に成功したこのシステムは、次の3つの部分から成る。 (1)高空間密度・広帯域の集積アンテナによるハンドセット 新たなアンテナ・エレメントすなわちWalled-LTSA(walled linearly-tapered slot antenna)を提案・設計した。このアンテナ・エレメントは、小さい開口面積を持つため高密度に2次元的に集積化が可能であり、また広帯域を有しているため周波数掃引に好適である。この集積アンテナによって連続電磁波を放射し、また地中からの反射波を位相感受方受信機で2次元的に受信する。そして、その周波数を掃引することによって、空間および周波数空間の3次元空間での複素振幅データを得ることを可能にした。 (2)複素画像を適応的に区分する複素自己組織化マップ(Complex-valued self-organization map : CSOM)モジュール また、得られたデータの複素3次元テクスチャを適応的に区分するCSOM適応クラス分けモジュールを開発した。反射波は2次元×周波数の3次元のテクスチャ情報を持っている。CSOMモジュールは、この複素テクスチャに基づき画素を適応的に分類し、画像を区分する。その結果、プラスチック地雷領域を他の土石領域や金属片を含む領域などと分離して、別のクラスに分類することに成功した。 (3)地雷クラスを同定する複素連想記憶モジュール さらにCSOMによって分類されたクラスのうち、どのクラスがプラスチック地雷であるか、同定する必要がある。われわれは、これを2段階の複素連想記憶を提案・構築するによって実現に成功した。まず計測取得画像に含まれる特徴ベクトル(クラスを表現している)のセットに対して、それに近い特徴ベクトル・セットを有する教師画像を連想記憶的に探索する。次に、最も近かった教師画像の特徴ベクトルのうち、プラスチック地雷のクラスに相当する計測結果クラスを複素連想記憶で探索する。この2段階探索によって、効果的にプラスチック地雷クラスを同定することができた。
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