研究分担者 |
竹内 恒博 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 講師 (00293655)
佐藤 洋一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20024094)
西野 洋一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50198488)
生田 博志 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (30231129)
琵琶 哲志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50314034)
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配分額 *注記 |
45,110千円 (直接経費: 34,700千円、間接経費: 10,410千円)
2004年度: 22,880千円 (直接経費: 17,600千円、間接経費: 5,280千円)
2003年度: 22,230千円 (直接経費: 17,100千円、間接経費: 5,130千円)
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研究概要 |
本研究はHume-Rothery則の理論的解釈を第一原理バンド計算で明らかにし、Hume-Rothery合金群がフェルミ準位に擬ギャップを持つ特徴を活かして準結晶・近似結晶、Fe_2VAl系における熱電特性を評価した。得られた成果を以下に示す。 (1)Al-Li-cu近似結晶の電子構造をLMTO-ASA及びNFE近似で計算し、擬ギャップが(631),(543),(710),(550)zoneとフェルミ面の相互作用で生じていることを証明し、Hume-Rothery則の物理的解釈を与えた。 (2)Al-Re-Si,Al-Mn-Si,Al-Pd-Mn-Re-Si,Al-Mn-Re-Si系近似結晶を合成し電子比熱係数とゼーベック係数、比抵抗、熱伝導度の温度依存性を詳細に解析し、フェルミ準位における擬ギャップ構造と熱電特性の関係を明らかにした。 (3)Fe_2VAl系ではAlのSi置換及びVのTi、Mo置換でゼーベック係数を正から負(-140μV/K)へと大きく変化させることに成功した。Fe_2VAlではVサイトに入ったFeが作り出すスピン揺らぎが比抵抗を増大させ熱電特性の劣化を生んでいる。そこで、FeをRuで置換した系において磁化が激減するのに伴い、低温の比抵抗及び磁気抵抗ともに急激に減少することを示した。これより熱電特性の劣化はVサイト上のFe原子による磁気欠陥が原因と結論した。 (4)単位胞に52個の原子を含むCu_5Zn_8,Cu_9Al_4,TM_2Zn_<11>(TM=Ni,Pd,Co,Fe)ガンマ相電子化合物についてFLAPWバンド計算を行い擬ギャップを支えるフェルミ準位近傍の電子状態の波動関数のフーリエ成分を解析することで(411),(330)zoneが擬ギャップの成因であることを証明し、ガンマ相合金におけるHume-Rothery則の本質を捉えることに成功した。
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