研究分担者 |
久保田 耕平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (30272438)
河田 雅圭 東北大学, 大学院生命化学研究科, 教授 (90204734)
佐々木 顕 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (90211937)
澤村 京一 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 講師 (90247205)
河田 雅圭 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (11301945)
佐々木 顕 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (17102884)
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配分額 *注記 |
33,670千円 (直接経費: 25,900千円、間接経費: 7,770千円)
2006年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2005年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2004年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2003年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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研究概要 |
本研究では,日本列島内で15種に分化し,交尾器形態に著しい種問変異があるオオオサムシ亜属を主な研究材料として繁殖形質進化と種分化過程の解析を行なった.交尾器形質の種問差の遺伝的基盤については,イワワキオサムシとマヤサンオサムシの交雑個体を用い,量的遺伝解析と最的遺伝子座連鎖解析を行なった.2鍾間の顕著な交尾器形態差に関与する遺伝子座は,比較的少数であると推定された.AFLP,マイクロサテライトを用いて,遺伝子座のマッピングを行なった。オオオサムシ亜属の交尾器形態の進化と,交尾行動の特性に関して,系統比較法による解析を行なった.その結果,雄交尾器の機能的部分である交尾片の長大化が,精包の大型化,交尾時間の短縮と相関して起こっていることが分かった.またオオオサムシ亜属では,精子の多型はないが,交尾の際に膣内に入れられる精子束に長・短の2型があることが分かった.2型のうち,長いタイプは交尾片と相関して進化していることが分かり,精子競争の強さと関連して選択されてきたことが示唆された.交尾器形態の進化は,集団内の性選択によって引き起こされていると考えられるが,交尾器形態の分化は機械的な生殖隔離をもたらし,種分化を促進することが予測される.また,現在の同所的種間には規則的な体サイズ差があることから,機械的生殖隔離には体サイズの分化も寄与していると予測される.同所的種間におけるミトコンドリアの遺伝子浸透率(交雑の指標)は,体サイズ差と交尾器サイズ差が大きいほど小さいことが示され,上記の予測が指示された.オオオサムシ亜属については,この他,性フェロモンの構成成分と考えられる体表炭化水素による配偶者認識,炭化水素の種間差,種間の交尾前・交尾後隔離に関する分析を行なった.
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