研究課題/領域番号 |
15207023
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理人類学
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研究機関 | 九州大学 (2004) 九州大学(芸術工学研究院) (2003) |
研究代表者 |
綿貫 茂喜 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (00158677)
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研究分担者 |
栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (50095907)
安河内 朗 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (20136568)
井上 馨 北海道大学, 医学部, 教授 (80133718)
樋口 重和 (樋口 和重) 秋田大学, 医学部, 助手 (00292376)
前田 享史 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90301407)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
50,700千円 (直接経費: 39,000千円、間接経費: 11,700千円)
2004年度: 18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2003年度: 32,370千円 (直接経費: 24,900千円、間接経費: 7,470千円)
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キーワード | 環境適応能 / 生理的多型性 / 全身的協関 / 機能的潜在性 / テクノ・アダプタビリティ / ノルアドレナリン / コルチゾール / 季節差 / 地域差 / 尿中ホルモン / 寒冷適応 |
研究概要 |
ヒトの環境適応能を探る上で生理的多型性の視点からの検討が重要である。現代日本人の生理的多型性について議論するために、秋田県と福岡県に両親の代から在住する男子大学生の尿中ホルモンを2003年11月-12月(冬期実験)と、2004年6月-8月(夏期実験)に比較した。被験者の自宅で起床後に採集した尿から検出したホルモンはアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、メタネフリン、ノルメタネフリン、コルチゾール、17-OHCS、メラトニン、セロトニン、テストステロン、プレグナンジオール、アルドステロン、尿中GHとした。さらに身体計測、質問紙による調査(睡眠健康調査(SHRI)、朝型・夜型質問紙、POMS(Profile of Mood States)、STAI(State-Trait Anxiety Inventory)、性格検査、ストレス度調査、運動・食事に関するアンケート、および被験者健康状態申告を行った。また被験者には室内の温度、湿度、照度を測定してもらった。 検出項目の値はクレアチニン換算した値を用いた。両地域間では、冬期と夏期ともに尿中ノルアドレナリン値は、秋田の方が有意(p<0.01)に高い値を示し、ノルアドレナリンは両地域とも夏期よりも冬期の方が有意(p<0.01)に高い値を示した。夏期の尿中コルチゾール値は、秋田の方が有意(p<0.05)に高い値を示した。尚、冬期においてはコルチゾールの代謝産物である17-OHCSは秋田の方が有意(p<0.05)に高い値を示した。また、コルチゾールは秋田において冬期より夏期の方が有意(p<0.05)に高い値を示した。 冬期・夏期ともにノルアドレナリンが秋田において高い値を示した。ノルアドレナリンは寒冷刺激により分泌が促進されるが、冬期ばかりでなく夏期においても秋田において高値が得られたことは秋田の学生はより寒冷の地に住み、これに適応してきた結果、福岡の学生に比べて寒冷に曝された際に生体の機能を維持するのに都合の良い生理的適応を行っている可能性があると推察した。
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