研究課題
基盤研究(A)
BT(バチルス・チューリンゲンシス)菌とバキュロウイルスは、現在、微生物農薬として、世界で広く利用されている。また、バキュロウイルスは昆虫のみならず哺乳動物細胞での遺伝子導入ベクターとして利用が拡大しつつある。本研究の目的は、これら昆虫病原微生物の安全性について分子レベルで検討することである。此までの結果から、バキュロウイルスはこれまでの通説に反して、哺乳動物細胞内に通常の感染経路で侵入した後、一部の遺伝を少なくともRNAレベルで発現し得ることを明らかにした。しかし、哺乳動物細胞内では、バキュロウイルス遺伝子プロモーターの構造的特異性と、哺乳動物細胞のエピジェネティックな遺伝子発現制御機構がウイルス遺伝子発現に対して効果的にバリヤーとして機能し得ることが初めて明らかとなった。これらの結果は、少なくともバキュロウイルスの安全性に関して一定の分子生物学的根拠を与えるものと言える。Bt菌に関しては、主に食中毒と最も関係が深いと言われる非溶血性エンテロトキシンCのVero細胞毒性機構の解明を行った。Vero細胞毒性については非溶血エンテロトキシンCをコードするnheC遺伝子の開始コドンから90bpにコードされているペプチドを介して、Vero細胞の表面に非溶血性エンテロトキシンCが結合し、局在化することが明らかとなった。Bt製剤として用いられているBt菌株において、N末端部の部分がエンテロトキシンCが分泌される際に、欠失もしくは消化されており、このことがBc(セレウス)菌で報告されているような甚大な非溶血性エンテロトキシンCによる食中毒が引き起こされない原因の一つであると考えられた。
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