配分額 *注記 |
44,460千円 (直接経費: 34,200千円、間接経費: 10,260千円)
2006年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2005年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2004年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2003年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
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研究概要 |
プロテインキナーゼC(PKC)は,細胞内情報伝達の要に位置するタンパク質リン酸化酵素であり,強力な発がんプロモーターであるホルボールエステルの受容体としても注目されている.発がんプロモーターは,8種のPKCアイソザイムそれぞれに存在する2つのC1ドメイン(C1A,C1B)の亜鉛フィンガー様配列に結合する.本研究は,放線菌の産生する発がんプロモーターであるインドラクタムVの構造活性相関に基づいたPKCアイソザイム選択的な薬剤の開発および海洋天然物であるブライオスタチンに代わる新しい抗がん剤の開発を目的とした.同時に,PKC C1ホモロジードメインをもつPKC以外の情報分子の構造機能解析も行った,主たる研究成果は以下の通りである. 1.インドラクタムVとPKCδのC1Bドメインとの結合において,インドール環のπ電子とC1Bドメインの11番目のプロリン残基(Pro-11)の4位および5位の水素原子とCH/π相互作用していることを明らかにした. 2.Pro-11はすべてのPKC C1ドメインに保存されていることから,C1ドメイン間のCH/π相互作用の差異を利用して,発がんプロモーションにおいて重要な役割を果たしているnovel PKCアイソザイム選択的なリガンド(1-hexyl-indolactam-V10および8-octyl-benzolactam-V9)を開発した. 3.ブライオスタチンの疎水性が発がんプロモーターと比べて極度に低いことに着目し,アプリシアトキシンの不斉中心のメチル基を除去して疎水性を低下させた単純化アナログをデザイン合成した.本化合物は,ブライオスタチンに特徴的なPKCδの核膜への移行を惹起した. 4.PKC C1ホモロジードメインを持っジアシルグリセロールキナーゼYが,ホルボールエステルの新しい受容体であることを明らかにした.
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