研究課題/領域番号 |
15208016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産科学・木質工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浦木 康光 北海道大学, 大学院農学研究科, 助教授 (90193961)
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研究分担者 |
高部 圭司 京都大学, 大学院農学研究科, 助教授 (70183449)
福島 和彦 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授 (80222256)
近藤 哲男 九州大学, 大学院バイオアーキテクチャー, 教授 (30202071)
船田 良 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 助教授 (20192734)
玉井 裕 北海道大学, 大学院農学研究科, 助教授 (50281796)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
48,620千円 (直接経費: 37,400千円、間接経費: 11,220千円)
2005年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2004年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2003年度: 30,420千円 (直接経費: 23,400千円、間接経費: 7,020千円)
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キーワード | 人工細胞壁 / 人工リグニン / バクテリアセルロース / 微小管 / アクチン / 表面プラズモン共鳴 / キシラン / モノリグノール / セルロース / プロトプラスト / セルロースの配向制御 / ヘミセルロースの堆積機構 / リグニン合成経路 / ナノテクノロジー / リグニン-炭水化物複合体 / 階層構造 / ハニカム構造 |
研究概要 |
本課題研究では、分子レベルから組織レベルにおいて階層構造を有している樹木細胞壁の構築機構を解明し、この結果を基に、細胞壁の構築過程を人為的に模倣した物質、即ち人工細胞壁を創製することを目的とし、下記の9項目の結果を得た。 第1項目として、細胞壁主要3成分の堆積過程を免疫電子顕微法などにより分子レベルで追跡し、細胞壁形成におけるキシランの重要性を明らかにした。第2項目では、表面プラズモン共鳴に基づく生体分子間相互作用解析装置を用い、第1項目で得られた知見を物理化学的に支持する成果を得た。第3項目として、今まで殆ど解明されていなかったリグニン-炭水化物複合体(LCC)の物性及び期待される機能を解明し、LCCの細胞壁における機能及び機能性材料としての潜在性に明示した。第4項目では、リグニンの構造及び物性解析に寄与する新規な分析法やモデル化合物の調製法を明らかにし、リグニン化学への新たな展開を明示した。第7項目では、細胞レベルにおける壁形成について新たな知見を見出し、さらに、細胞の繋がりによる組織形成の解明へと、樹木細胞壁の階層構1造を段階的に解明した。 第8項目では、第7項目までの知見を基に、ハニカム状に細胞壁が配列している構造を模倣した人工細胞壁の構築技術の開発を行った。先ず、セルロース誘導体からハニカム状物質を作成する技術を開発した。しかし、このハニカム物質は再生セルロースであり、樹木細胞壁のセルロース1とは異なる結晶構造であった。そこで、セルロース1を産生する酢酸菌をセルロース製造マシンとして利用するハニカム状セルロースの調製法を開発した。また、酢酸菌によるセルロース産生の炭素源として、キノコ生産の廃棄物が利用できることを、第9項目の結果として得た。これらのことより、人工細胞壁を構築する基礎技術は、本研課題研究において創出できたと云える。
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