研究課題/領域番号 |
15208028
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 鹿児島大学 (2006) 帯広畜産大学 (2003-2005) |
研究代表者 |
藤崎 幸蔵 (藤崎 幸藏) 鹿児島大学, 農学部, 教授 (00292095)
|
研究分担者 |
杉本 千尋 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (90231373)
辻 尚利 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所, 主任研究員 (70355171)
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (80301802)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
46,150千円 (直接経費: 35,500千円、間接経費: 10,650千円)
2006年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2005年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2004年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2003年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
|
キーワード | マダニ / cDNAライブラリー / マダニ生物活性分子 / TBM / バキュロウイルス / 組換え体 / バイオ殺ダニ剤 / 抗マダニワクチン |
研究概要 |
マダニはヒト以外の動物では第1位に、またヒトでは蚊に次いで第2位に重要な疾病媒介節足動物であり、マダニとマダニ媒介性疾病によって世界の畜産が蒙っている経済的被害額は毎年70億米ドルの巨額にのぼる(FAO,1995)。加えて、地球温暖化や国際交易増大によるマダニ分布域の変容・拡大と、マダニ媒介性の新興・再興感染症の出現は、先進国と途上国に共通する新たな大問題となっている。DDTが発明された1950年代以降、マダニとその媒介疾病の防圧はもっぱら各種の化学物質を殺ダニ剤として用いることによって行われてきた。しかし、近年、化学的殺ダニ剤に対する抵抗性マダニの出現、残留殺ダニ剤による環境・食物連鎖の汚染、強化された安全性試験による新規化合物開発経費の高騰などの問題が深刻化している。このため、現行のマダニ対策は抜本的な見直しを迫られており、化学的殺ダニ剤に代わりうる安全性・有効性・経済性に優れた新たなマダニ防除技術の開発が、今や世界的に焦眉の急務となっている。 このような社会的ならびに学術的背景に鑑み、本研究は、第1には、マダニの生存に重要な役割と機能を発揮する物質(マダニ生物活性分子tick bioactive-molecules : TBMと総称)の探索と特性解明を行い、ワクチン候補物質としての可能性を検証し、有効性が示されたTBMの遣伝子は、ヘルペスウイルスに導入し抗マダニウイルスベクター組換えワクチンとして、免疫学的マダニ防除の目的に活用することである。第2には、TBMの特性解明の過程で組換え蛋白作成目的に利用したAcNPVなどのバキュロウイルス組換え体について、殺ダニ活性を検証し、バイオ殺ダニ剤としての可能性を追求することである。そして、最終的にはこれらの成果に立脚し、抗マダニワクチンとバイオ殺ダニ剤の併用によって、化学的殺ダニ剤に極力依拠しないマダニ防除を実現することを、究極の目的とするものである。 平成18年度においては、マダニ臓器別のcDNAライブラリー4種を活用した統合クラスターリングを実施し、この結果に立脚したマグロアレイを構築した。さらにこのマイクロアレイを活用し、吸血とイヌバベシア(Babesia gibsoni)感染によって、唾液腺と中腸においてそれぞれ発現が著しく上方あるいは下方調節されるマダニ生物活性分子(TBM)遣伝子群の網羅的解析を実施した。
|