研究課題/領域番号 |
15208029
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
堀内 基広 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30219216)
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研究分担者 |
稲葉 睦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00183179)
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90250498)
前田 秋彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (70333359)
古岡 秀文 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (60238665)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
35,490千円 (直接経費: 27,300千円、間接経費: 8,190千円)
2005年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2004年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2003年度: 20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
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キーワード | プリオン / スクレイピー / BSE / DNAマイクロアレイ / siRNA / Opti-MEM / Neuro2a |
研究概要 |
本研究では、PrP^<Sc>産生を阻害する物質の作用機序の解析、および、プリオン増殖に関与する宿主因子や微小環境の同定、からプリオンの細胞内増殖機構を紐解くための研究を行った。 細胞膜上に発現するPrP^Cと反応する4種の抗PrP抗体が、プリオン持続感染細胞におけるPrP^<Sc>産生を抑制した。細胞膜上のPrP^Cと結合した抗体は細胞膜上に停留する傾向があることから、PrP^Cと抗体が結合して、PrP^Cが通常の分解経路に移行しなくなることが、PrP^<Sc>産生抑制の原因と考えられた。また、人工硫酸化糖のプリオン増殖抑制能を調べた結果、4-Sulfo-N-acetylglucosamineおよび6-Sulfo-N-acetylglucosamineにPrP^<Sc>産生抑制活性が認められた。これらを細胞に添加した場合、PrP^Cのエンドサイトーシスが促進され、総PrP^C量が減少した。一方、PrP^<Sc>産生抑制活性のない硫酸化糖はPrP^Cのエンドサイトーシスを促進しなかった。従って硫酸化糖によるPrP^<Sc>産生抑制は、PrP^Cの分解促進が原因と考えられた。 マウス神経芽細胞Neuro2aのサブクローンを多数樹立して、プリオン感受性および非感受性に分類した。プリオン非感受性のN2a-1ではPrP^Cの発現は親株やプリオン感受性N2aサブクローンと同程度であった。プリオン感受性サブクローンN2a-3およびN2a-5とN2a-1におけるPrP^<Sc>の吸着を検討したが、感受性・非感受性サブクローン間でPrP^<Sc>の吸着には差が認められなかった。N2a-1のようにPrP^Cは発現するがプリオン非感受性の細胞の存在は、PrP^C以外にもプリオン感受性に関与する宿主因子の存在を示す結果である。そこで、樹立したN2aサブクローン間での遺伝子発現をDNAマイクロアレイ法により解析した。プリオン感受性細胞で2倍以上発現が高い遺伝子を36種、プリオン非感受性細胞で2倍以上発現が高い遺伝子を18種、候補遺伝子として選抜した。候補遺伝子に対するsiRNAを用いて標的遺伝子の発現を抑制し、プリオン感受性への影響を調べた。その結果、F2,A1,C5の3遺伝子に対するsiRNAが、N2a-5におけるプリオン増殖を抑制することが明らかとなった。
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