研究分担者 |
柳澤 純 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (50301114)
柏原 真一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (00254318)
山縣 一夫 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (10361312)
中西 友子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (10344863)
高橋 智 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50271896)
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配分額 *注記 |
43,680千円 (直接経費: 33,600千円、間接経費: 10,080千円)
2005年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2004年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2003年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
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研究概要 |
マウスを中心とした雄性配偶子の「なりたち」と 「はたらき」に関して研究を行い,次のような研究成果が得られた。 (1)多機能タンパク質ADAM1aは精巣精細胞の粗面小胞体と精子細胞膜に限定局在しており,子宮から輸卵管への精子移動に関与する分子群の機能制御を精子形成または成熟過程で行っていることが明確になった。また,ADAM1bが精子と卵子の結合や融合に関与していないことが明確となった。ADAM1b欠損と同時にADAM2も精子膜上で欠損するため・ADAM1b/ADAM2複合体ファーテリンが精子と卵子の融合で機能していないことを証明できた。以上の結果から,ファーテリンは,受精での直接的な配偶子間相互作用ではなく,ADAM3などの受精に必須の精子タンパク質を精細胞小胞体から精子表面へ移行させるような機能をもっていることが示唆された。 (2)マウス精子膜上でGPIアンカーしている新規ピアルロニダーゼHya15を同定し,その構造と機能を明らかにした。ヒアルロニダーゼPH-20と比較すると,Hya15も細胞膜にGPIアンカーしていたが,ほぼ半分くらいが精子アクロソームに局在していた。また,PH20欠損マウスの精子抽出液を用いた卵丘細胞塊の分散を調べた結果,Hya15が精子の卵丘細胞塊通過で中心的な役割を果たしていることが示唆された。 (3)TESP5欠損マウスの解析を行い,その欠損オスマウスは正常な産仔産生能を有していたが,体外受精試験では,その精子の透明帯結合,精子と卵子の融合,および受精はいずれも著しく低率であった。しかし,TESP5欠損オスマウスを交尾させ,子宮より回収した精子で体外受精を行わせると,ほぼ正常な受精能を回復した。したがって,精子の子宮通過が受精能獲得などで重要であることが示唆された。
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