研究課題/領域番号 |
15209004
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
永沼 章 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80155952)
|
研究分担者 |
久下 周右 (久下 周佐) 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (50186376)
大橋 一晶 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70344679)
黄 基旭 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00344680)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
50,700千円 (直接経費: 39,000千円、間接経費: 11,700千円)
2005年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2004年度: 19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
2003年度: 20,540千円 (直接経費: 15,800千円、間接経費: 4,740千円)
|
キーワード | メチル水銀 / 毒性発現機構 / 耐性 / ユビキチン / F-Box蛋白質 / Cdc34 / Rad23 / 酵母 |
研究概要 |
我々は、Cdc34がユビキチン転移酵素として関与するユビキチン・プロ、テアソームシステムの亢進が酵母及びヒト細胞にメチル水銀耐性を与えることを見出している。本システムにおいて基質蛋白質の認識を担うサブユニットであるF-Box蛋白質は酵母には少なくとも17種存在するが、その中でHrt3およびYlr224wが高発現によって顕著なメチル水銀耐性を酵母に与えることを15年度に見出し、16年度にはHrt3が認識する蛋白質としてDld3およびGrs1を、また、Ylr224wが認識する蛋白質としてEno2を同定することに成功した。17年度にはこれら3つの蛋白質全てがメチル水銀毒性増強作用を有し、さらに、細胞内でユビキチン化された後にプロテアソームで分解されることを明らかにした。Dld3およびEno2は共に細胞内でのピルビン酸の生成経路に関わる酵素であるが、ピルビン酸のミトコンドリア中への取り込みに関与するトランスポーターであるYi1006wを欠損させた酵母はメチル水銀に対して耐性を示し、過剰のピルビン酸を酵母またはヒト細胞の培地中に添加することによってメチル水銀毒性が顕著に増強されることも新たに判明した。ピルビン酸の単独添加はメチル水銀毒性に影響を与えないことから、これらの結果は、ミトコンドリア中へのピルビン酸の流入促進がメチル水銀毒性の増強を引き起こすことことを明確に示している。一方、ユビキチン化反応に影響を与えることが知られる細胞内因子の中で、Rad23の高発現が酵母にメチル水銀耐性を与えることを見出した。Rad23によるメチル水毒性軽減にはユビキチン化蛋白質のユビキチン鎖の伸張抑制作用が必須であることから、Rad23はある種の蛋白質のユビキチン化を介した分解を抑制することによってメチル水銀毒性を軽減すると思われる。その蛋白質の候補としてPng1が同定された。
|