配分額 *注記 |
44,980千円 (直接経費: 34,600千円、間接経費: 10,380千円)
2005年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2004年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2003年度: 22,490千円 (直接経費: 17,300千円、間接経費: 5,190千円)
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研究概要 |
CYP2A6は抗がん薬であるテガフール,ファドロゾールおよびレトロゾールなどの医薬品の代謝に関与することを明らかにしてきた.CYP2A6の酵素活性には大きな個人差が存在することが知られており,CYP2A6の遺伝子多型がその原因の一部であると考えられている.そこで,新規遺伝子多型の探索および遺伝子多型と酵素活性との相関を解析し,以下の知見を得た.日本人49検体および欧米人28検体のCYP2A6遺伝子を網羅的に解析し45種類の新規CYP2A6遺伝子多型を見出した.CYP2A6遺伝子の5'-上流領域に存在する遺伝子多型であるCYP2A6^*9がヒトの肝でのCYP2A6の発現および酵素活性に及ぼす影響について検討し,CYP2A6^*9はin vitroおよびin vivoにおいても,CYP2A6の酵素活性の個人差の一因となる可能性があることを明らかにした.さらに,大腸菌発現系および肝ミクロゾームを用いて新規に見出したCYP2A6^*15およびCYP2A6^*16の機能解析を行ない,これらの遺伝子多型が酵素活性を低下させることを明らかにした.これらの知見はCYP2A6で代謝される薬物による薬物療法の個別化を計る上で大変重要な情報となる.今後さらに,遺伝的要因および環境的要因の両面からCYP2A6酵素活性の個人差に関する検討を進め,CYP2A6に関わる薬物療法におけるテーラーメイド医療の実現が期待される.
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