研究課題
基盤研究(A)
本研究ではHP胃炎、自己免疫性膵炎(AIP),炎症性腸疾患(IBDの3疾患に照準をあてて、これらの発症機序を免疫学的に解明することを目的とした。その結果以下の成績を得た。(1)ヒトでは、胃潰瘍二と十二指腸患者においてその免疫反応が、胃潰瘍では主としてTh1反応に、十二指腸潰瘍ではTh2反応に傾いていることが判明した。さらに胃MALTリンパ腫では特に強いTh2反応が観察された。(2)マウスモデルでは、Th1反応が著明なC57blackではHP感染によって強い胃炎が発症するが、Th2反応が強いBalb/cでは胃炎は生じなかった。これらマウスの胸腺を摘出すると、C57blackの胃炎は軽減し、逆にBalb/cでは高頻度にMALTリンパ腫が発症した。MALTリンパ腫細胞を培養したところ、その増殖維持にはHPと浸潤Tリンパ球および末梢血DCの存在が必須であった。またその際、CagA,CagPAIの存在は必須ではなかった。(3)抗ラクトフェリン、抗CAII抗体陰性で高IgG血症の自己免疫性膵炎患者血清を用いて、自己抗体の候補として、抗膵トリプシン・インヒビター抗体を同定した。本抗体はAIP患者において高率に陽性であった。(4)IBD患者血清において、Mycobacterium paratuberculosisに特異的な抗体が高率に陽性であり、本感染症のIBDの病態への関与が考えられた。(5)さらにIBDの病態にCMVおよびEBV感染症が深く関与していることが判明した。またその際CMVの診断には、大腸の病変部、非病変部組織からCMVの遺伝子を検索し比較することが重要であると考えられた。(6)IBDの発症には上皮のpermeabilityの障害、それと関連した上皮の再生機構の異常が関与していることが明らかとなった。そして上皮の修復を促進させるbFGFなどの投与が治療に有効であることが判明した。
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