研究課題
基盤研究(A)
酵母細胞を用いたtwo-hybrid system法により心筋特異的転写因子Csx/Nkx2-5と相互作用する分子として、新規LIMタンパクCal((CSX-associated LIM protein)とジンクフィンガータンパクZim1を同定した。CalはLIMドメインを介してCsx/Nkx2-5のホメオドメイン相互作用することにより、協調的にCsx/Nkx2-5による標的遺伝子の転写を活性化した。また、Calには核外移行シグナル(nuclear export signal : NES)が存在し、通常CalはNESにより細胞質に局在しているが、細胞内カルシウム濃度を上昇させるような刺激により核内へとその局在を変える。NESを欠損し核内に局在するCal変異体(Cal-ΔNES)は野生型のCalよりも、Csx/Nkx2-5との協調的な転写活性化が強く、さらにCal-ΔNESを恒常的に発現するP19C16細胞は通常のP19CL6細胞よりも高率に心筋細胞に分化した。それに対して、Zim1はジンクフィンガードメインを介してCsx/Nkx2-5のN末およびホメオドメインと相互作用することにより、Csx/Nkx2-5による標的遺伝子の転写を抑制する。また、Zim1を一過性に強制発現させたP19C16細胞は通常のP19CL6細胞よりも心筋細胞への分化が抑制された。以上より、CalのようなコアクチベーターやZim1のようなコリプレッサーによって、Csx/Nkx2-5による転写活性は心筋発生において精密に調節していると考えられた。また、心筋細胞への分化段階の早期に発現し、P19CL6細胞の心筋細胞分化を促進するリン酸化酵素Midoriの発生における機能解析のために、マウス胚性幹細胞を用いたジーンターゲティングを行った。相同変異体2クローンが得られ、現在はF1マウスを作成中である。
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