研究分担者 |
内藤 眞 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30045786)
土井 健史 (土井 健文) 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00211409)
野口 範子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任助教授) (40198578)
南 敬 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任助教授) (00345141)
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配分額 *注記 |
49,270千円 (直接経費: 37,900千円、間接経費: 11,370千円)
2004年度: 15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
2003年度: 33,670千円 (直接経費: 25,900千円、間接経費: 7,770千円)
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研究概要 |
今回の研究はLDLの沈着から引き起こされるアテローム性病変の初期発症機構について、1)酸化脂質などが血管細胞の転写制御を変える機序、2)血管細胞の活性化により単球が集積する機序を明らかにし、3)血管壁への白血球集積を抑える新規治療薬を開発することを目的に平成15,16年度に行われ、以下の結果をえた。 (1)変性LDLと酸化脂質の形成過程を追跡する標識を開発し(文献18,21)アミロイド前駆体タンパクと結合したLDL変性を発見し解析した(文献10,14)。酸化脂質によるトランスクリプトーム解析を系統的に行い、リゾPCがアミノ酸トランスポーター等様々な遺伝子転写活性化に作用すること、それがEGR, GATAなどの転写因子を介していることを発見した(文献7)。 (2)混合培養系での流れによる転写調節機序のトランスクリプトーム解析からNRF2の活性化が重要であることを発見した(文献5,15)。 (3)炎症性サイトカイン、増殖因子、凝固因子の血管細胞への転写制御をトランスクリプトームを用いて系統的に解析し、ウェッブで世界に開示した。そこからEts, GATA, Hexの関与を証明した(文献11,16,20,24)。さらにNFATcの血管壁細胞での増殖と凝固シグナルにおける役割を発見しその終息シグナルとしてDSCR1が重要なことを発見した。DSCR1過剰発現はNFATcシグナルを抑制した、腫瘍血管新生なども抑制でき、治療にも有効である(文献4)。高柳らとNFATcシグナルが様々な細胞で重要で免疫、骨疾患にかかわることを証明した(文献12)。 (4)内皮細胞活性化時に単球の接着抑制する薬物を混合培養系でスクリーニングし、新規化合物群を発見しこれが、新しい炎症抑制剤として臨床上有用であることを発見している(文献6,17)。この薬はpsoriasis治療にも著効を示しており作用機構が注目されるとともに臨床応用が期待される(未発表)。
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