研究課題/領域番号 |
15209030
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松阪 泰二 東海大学, 総合医学研究所, 助教授 (50317749)
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研究分担者 |
市川 家國 東海大学, 医学部, 教授 (80317768)
新村 文男 東海大学, 医学部, 講師 (30282750)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
49,270千円 (直接経費: 37,900千円、間接経費: 11,370千円)
2005年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2004年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2003年度: 19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
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キーワード | ポドサイト / 糸球体硬化症 / トランスジェニックマウス / HIV-1関連腎症 / アンギオテンシン / 慢性腎不全 / アクチニン / 糸球体上皮細胞 / アンジオテンシン / 糖尿病腎症 |
研究概要 |
慢性腎不全の特徴である糸球体硬化症とpodocyteの傷害の間の因果関係を明確にするために、我々は、イムノトキシン(LMB2)の投与によりpodocyte特異的な傷害を誘導できるトランスジェニック(TG)マウス(NEP25)を作成した。LMB2投与後にNEP25マウスは、podocyte、および二次的に他の糸球体細胞を傷害し、急速に糸球体硬化へと進展した。Cre-loxPを利用したpodocyte系譜の標識により、podocyteは分化マーカーの消失のみならず、欠落し、他の細胞に変換しない事が示された。キメラマウスを用いた研究から、podocyteの傷害は、隣接するpodocyteの二次的傷害をもたらす事が明らかになり、podocyte傷害が自動拡大する悪循環の存在が示唆された。 また、podocyte病であるHIV-1関連腎症の研究のため、podocyteにHIV-1の遺伝子を発現するTGマウスを作製した。その結果、FVB/Nの遺伝的背景と、vprとnefの相乗作用によって、特徴的な腎症が発症する事が示された。 NEP25、HIV-1 TG両モデルにおいて、尿管を閉塞させると、podocyteおよび糸球体の病変は劇的に予防され、podocyte傷害の拡大には、糸球体濾過が関与する事が示された。また、Angiotensin II受容体阻害剤によっても、NEP25、HIV-1 TGの糸球体病変が軽減した。 常染色体優性FSGSの原因である変異α-Actinin-4をpodocyteで発現するTGマウスは、緩やかな経過でFSGSを発症した。NEP25マウスとのダブルTGを用い、変異α-Actinin-4はLMB2による糸球体病変を軽減する事を明らかにした。 以上のように、様々な原因に起因するpodocyteの傷害が、濾過に依存して糸球体内に自動拡大し、糸球体硬化症が成立する事が示された。
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