研究分担者 |
谷口 克 理化学研究所, 横浜研究所・免役・アレルギー科学総合研究センター, センター長 (80110310)
中山 俊憲 (中山 俊彦) 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50237468)
飯笹 俊彦 千葉県がんセンター, 呼吸器科, 主任医長 (10272303)
本橋 新一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 産官学連携研究員 (60345022)
尾辻 瑞人 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50344982)
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配分額 *注記 |
50,180千円 (直接経費: 38,600千円、間接経費: 11,580千円)
2006年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2005年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2004年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2003年度: 21,710千円 (直接経費: 16,700千円、間接経費: 5,010千円)
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研究概要 |
原発性肺癌手術不能進行期症例および再発肺癌を対象とし,内在性のNKT細胞を活性化することを目的としたα-ガラクトシルセラミドパルス樹状細胞投与を施行した。投与細胞数は1x10^9/m^2として,24症例登録し,17症例に対して樹状細胞投与および解析が終了した。 その結果,特に細胞治療と関連する重篤な有害事象を認めることなく施行可能であった。NKT細胞特異的免疫反応の解析として,17症例の免疫学的反応の詳細な解析結果として,末梢血NKT細胞およびNK細胞からのIFN-γ産生が樹状細胞療法後に著明に増加している症例において,治療後に腫瘍が再増大するまでの期間が延長し,全生存期間も延長する傾向が認められた。NKT細胞を標的としたα-ガラクトシルセラミドパルス樹状細胞療法において,治療後のIFN-γ産生能の亢進が予後延長に非常に大切であるとする報告は今までに無く,本研究にて始めて明らかとなったことである。 原発性肺癌手術後には,腫瘍の遺残を認めない根治手術であっても約半数の症例に再発を認める。この再発抑制を目的としたα-ガラクトシルセラミドパルス樹状細胞療法の効果を検討するために、primary end pointを無再発生存期間におき、secondary end pointを全生存率,NKT細胞特異的免疫応答性の評価および安全性の評価に置く臨床試験を立案した。対象は完全切除を施行し、術後病理病期がIIB, IIIAであった20症例とする。現在までに9症例の登録を完了し,α-ガラクトシルセラミドパルス樹状細胞療法を根治術後に施行し,現在まで再発の有無や再発までの期間,生存期間の観察を継続している。今後抑制効果が確認され,有効性が検証されれば,このNKT細胞免疫療法を中心に根治術後の再発抑制のストラテジーを構築し,難治性と言われる原発性肺癌の治療成績向上に非常に貢献できると考える。
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