配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2005年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2004年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2003年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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研究概要 |
本研究は,妊娠期から育児期にある母子ケアに,医療過疎地にいる看護職者(保健師・助産師・看護師)が果たすべき役割を明確にし,他職種とともに構築すべきケアシステムの地域特性に応じたあり方を明らかにすることが目的である。今年度は本研究の最終年度であり,研究目的は15年度,16年度に収集したデータをさらに詳細に分析し,本研究の最終目的である医療過疎地(とくに産科医が不足する地)における良質な周産期母子ケアを提供するために助産師が果たすべき役割を明らかにすることである。具体的内容は、(1)16年度に2県内の全助産師を対象にしたデータを詳細に分析し,助産師の役割意識行動を検討した。(2)2県内でとくに産科医が不足する医療過疎地における中小病院で妊娠・分娩・産褥期を過ごした対象者に対して縦断的調査を行ったデータを分析し,妊産褥婦が助産師から受けた看護の満足度,妊産褥婦のニーズを検討した。(3)今回対象とした医療過疎地における中小病院の診療圏にあたる市町村の保健師に対して行った母子保健に関する調査結果を分析し,産科医が不足する医療過疎地における中小病院を対象にしたケアシステム構築に向けた保健師の考えについて検討した。(4)助産師が実施した妊産褥婦に対するケア場面の行動分析を行い,助産師の役割意識・認識と実際の助産師の行動との関係性を検討した。(5)(1)から(4)までの全データ分析の検討結果をふまえ,良質なケアを提供するための周産期における一貫したケアシステム構築とそのためのそれぞれの看護職,他の専門職の果たすべき役割と権限,責任を検討した。 その結果、周産期医療の問題点として専門職者の不足、専門職者の不満と不達成感、利用者(妊産婦)の不満と不安、地域ケアの不整備が抽出された。解決のためには、利用者(妊産婦)の不満・不安の解決、助産師の適切な働き方、助産師が専門職としてルーチィンケアにとどまるのではなくスペシャルケアをめざすこと、さらに有効な専門職者の働き方などの検討が必要である。そしてさらにその地域の医療関係者全体を巻き込み、施設内・施設外という枠、互いの専門職者の領域の枠を越えた考え方をとりいれた周産期ケアシステムの構築の重要性が示唆された。
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