研究課題/領域番号 |
15251005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
小川 英文 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (20214025)
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研究分担者 |
青柳 洋治 上智大学, 外国語学部, 教授 (60146800)
小池 裕子 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (40107462)
富岡 直人 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (90241504)
奥野 充 福岡大学, 理学部, 講師 (50309887)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
35,230千円 (直接経費: 27,100千円、間接経費: 8,130千円)
2005年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2004年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2003年度: 15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | 狩猟採集社会の存続 / 農耕社会との食料・労働力 / 相互依存関係の歴史過程 / 地域的土器編年体系 / GIS地図情報データベース / AMS14C年代測定法 / 安定同位体古食餌分析 / 古環境復元 / 農耕社会との食料・労働力の交換 |
研究概要 |
3年間にわたり、考古学・古環境学・先史人類学の各班に分かれて調査を実施し、以下の成果を残すことができた。 1.ラロ貝塚群7000年間の遺物群の型式学的編年体系を新たなAMS14C測定年代値を得て、よりも精緻なものとした。その編年序列は剥片石器群(7000-4000caIBP)、赤色土器(4000-3700caIBP)、無文赤色土器群(3400-3000caIBP)、有文赤色土器群(2900-2400caIBP)、有文黒色土器群(2300-1500caIBP)、無文黒色土器群(1500-1000caIBP)、貿易陶磁(600-500caIBP)の7期の時代的変遷をたどることが明らかとなった。また従来ラピタ土器との関連が指摘されてきた有文赤色土器群は、新たに2900-2400caIBPの測定値を得たため、ラピタ土器よりも新しいことが確認された。 2.丘陵地域開地遺跡の発掘調査によって、有文赤色スリップ土器群と剥片石器との共伴が確認され、低地と丘陵との関係を直接示唆する資料を得た。 3.ラロ貝塚群最大規模のカタヤワン貝塚が、長さ2km、幅100m、深さ2mにおよぶ、東南アジア最大の淡水産貝塚であることを明らかにした。またドゥモン貝塚ガエラン遺跡の調査では、当該地域における剥片石器から土器への転換を示す遺跡であることが確認された。 4.自然科学分野の調査では、黒色土器内部から抽出した炭素から直接、年代測定を行う方法を確立した。カガヤン川下流域全体の古環境と資源利用に関する調査では、古地形・古環境復元調査を継続中で、また貝塚出土遺物同定のため、現生淡水魚の骨格標本作製を完了した。地理情報システム(GIS)の導入により、遺跡群データベースのデジタル化が進んだ。 5.これらの成果を統合して、当該地域先史時代における狩猟採集社会と農耕社会との接触初期の社会的モデルを構築し、公刊した。
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