研究課題/領域番号 |
15251012
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 教授 (60214772)
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研究分担者 |
赤嶺 淳 名古屋市立大学, 人文社会学部, 助教授 (90336701)
井上 敏昭 (井上 敏明) 城西国際大学, 福祉総合学部, 助教授 (00265521)
岩崎 まさみ 北海学園大学, 人文学部, 教授 (50305893)
浜口 尚 園田学園女子大学, 短期大学部, 助教授 (30280093)
松本 博之 奈良女子大学, 文学部, 教授 (70116979)
大島 稔 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (00142787)
鹿熊 信一郎 (財)亜熱帯総合研究所, 研究部, 研究主幹
竹川 大介 北九州市立大学, 文学部, 助教授 (10285455)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
44,460千円 (直接経費: 34,200千円、間接経費: 10,260千円)
2006年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2005年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2004年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2003年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | 先住民 / 海洋資源 / 流通 / 管理 / 利用 / 環太平洋地域 / 水産資源 / 環太平洋 / 極北地域 |
研究概要 |
海洋資源の流通と管理の研究成果は次のように要約することができる。(1)商業水産物は一般に需要が高ければ、過剰捕獲を生み出す傾向が見られる。その生産物が、現地社会で文化的な価値が低く、利用度も低い資源であり、かっ高収入源となるならば、生産者は仲介者の指示に従い、最大捕獲を目指す傾向にあるので、ナマコやフカヒレなどの特殊海産物は、とくに次のような条件下では、資源の枯渇化が進む可能性が高い。すなわち(1)地域外の市場の高い需要、(2)流通を支える情報伝達と輸送手段の発達、(3)市場の動きに目ざとい流通仲介者の存在、(4)対象資源に関する捕獲禁止や制限の法的処置の不在、(5)捕獲技術の存在、(6)地元での資源に対する文化的価値が低く、利用度も低いことなどである。(2)先住民社会においては、サケのような地元の「リアル・フード」を食べることや分配することが社会・文化的に重要であり、人びとのアイデンティティや社会関係の再生産にとって重要である。先住民の生業水産物の場合は、需要は社会内部に限定されるので、一般に資源の枯渇化は起こりにくい。しかしながら、先住民社会内に当該資源に関して高い需要がある場合には、歴史的な事情、捕獲・運搬技術の発達、(動物の霊魂への恐れや尊敬心の喪失といった)世界観の変化などの条件いかんでは、枯渇化を生み出す恐れがある。(3)資源保全や保護の方法を考えていくうえでは、生産者の生活を考慮した持続的利用ができるように水産資源の管理方法を構築する必要がある。地域社会における資源の枯渇化に関係する要因のひとつとして、社会内および社会外との流通のあり方が重要であるので、所与の資源の管理システムの構築においては、流通地ステムを考慮すべきである。
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