研究課題/領域番号 |
15252004
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地域研究
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
江口 信清 立命館大学, 文学部, 教授 (90185108)
|
研究分担者 |
山本 勇次 大阪国際大学, 法政経学部, 教授 (50114806)
村瀬 智 大手前大学, 社会文化学部, 教授 (50331707)
藤巻 正己 (藤巻 正巳) 立命館大学, 文学部, 教授 (60131603)
リム ボン 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (10202409)
北森 絵里 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (40278875)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
26,130千円 (直接経費: 20,100千円、間接経費: 6,030千円)
2005年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2004年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2003年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
|
キーワード | 自生的リーダーシップ / スラム / 不法占拠 / NGO / 地域間比較 / プロト・カリスマ / 自生的リーダー / 貧困の文化 / スラム地区 / 協同戦略のジレンマ / 内発的発展 / 地域間比較研究 |
研究概要 |
本研究の目的は、スラム地区の貧困な人たちをリードして、当該地域社会を内発的に改善・向上させることのできる自生的なリーダーとはどのような人物であるのか、またこういったリーダーが力を発揮して人々をリードできるための社会・経済・政治・文化的環境とは何かを分析・考察し、地域間比較をすることであった。 貧困社会におけるリーダーシップ論に関する研究は不足しているというよりも、むしろ欠落しているといわざるを得ない。それに対して、私たちは1994年度から継続して、組織的に貧困研究を行ってきた。これまで、人類学者オスカー・ルイスの提起した「貧困の文化」というサブカルチャーの妥当性の検証作業を通じて、多くのスラム住民が自らを取り巻く環境に、主体的に適応してきたことを明らかにしている。また、第二段階として、スラム社会の外部者と内部者のスラムに対するまなざしの違いに関する研究を実施し、今回の研究はこれらの一連の貧困社会研究の一環として位置づけることができる。申請者らは、スラム地区の「望ましい」開発と内発的発展に不可欠な「自生的リーダー」と彼/彼女の力を十分発揮させることができる環境に関する新たな概念と知見を、地域間比較研究を通じて生み出すことができると考えている。 本研究では、研究参加者各人が以前から深く関わってきたカリブ海地域(とくに、ドミニカ、トリニダード、ガイアナ)、ネパール、インド、マレーシア、アメリカ合衆国、そしてブラジルの貧困者が暮らす(あるいは、暮らした)スラム地区(そして、かつてのスラム地区)において実態調査を実施した。また、研究協力者にフィリッピンのスラム地区で調査をしてもらった。平成15〜平成17年度にわたる実態調査を通じて、上記8ヵ国のスラム地区(そして元スラム地区)住民間の自生的リーダーをめぐる環境とリーダーの資質・特徴、サポーターとの関係などに関する住民自身の肉声を中心とする貴重な資料を入手した。また、当該国の政府機関やNGOによる貧困問題政策などについての考え方についても文献収集や担当者に対するインタビューを通じて、多くの知見を得ることができた。現地で収集されたこれらの資料を基にした比較分析により、自生的リーダーの資質・特徴、この人たちと支援者の関係、自生的リーダーが生まれる環境、そして政府・NGOとの関係などを分析し、考察した。
|