研究課題/領域番号 |
15253006
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
星野 光雄 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 教授 (40023626)
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研究分担者 |
門平 睦代 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (20313976)
山本 鋼志 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 助教授 (70183689)
吉田 英一 名古屋大学, 博物館, 助教授 (30324403)
杉谷 健一郎 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 助教授 (20222052)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
21,190千円 (直接経費: 16,300千円、間接経費: 4,890千円)
2005年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2004年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2003年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 土壌浸食 / ガリー侵食 / 砂漠化 / 乾燥地域 / ケニア / 土地利用 / 地質 / 地形 / ガリー浸食 |
研究概要 |
ケニア西部のビクトリア湖岸で年々進行するガリー浸食(土壌浸食の終局の形態)は、現地住民の生活を脅かす深刻な環境問題である。本プロジェクトでは、当地域のガリー浸食の実態解明と防止策を検討する目的で、環境科学的現地調査とそれにもとづく分析を行い、以下の成果を得た。 (1)ビクトリア湖北東端のカビロンド地溝は、南北をそれぞれケンドゥ断層とナンディ断層で画され、地溝帯上部を第四紀の堆積物が覆う。ケンドゥ断層崖の麓から緩斜面一帯には、堆積物と被覆土壌層を削り取って多数のガリーが発達する。 (2)3年間の詳細な現地測量結果および周辺住民からの聞き取り調査から、ガリーは年々拡大し続け、ガリー谷頭の後退量は年間最大20m以上に達することがわかった。 (3)堆積物の詳細な岩相層序学的検討にもとづき、これらを上位のアワチ部層と下位のソンドゥ部層に区分した。前者では洪水型堆積物が卓越し、砕屑物の原岩も様々で、高い空隙率に起因して比較的低い硬度を示す。後者では近傍に露出する花崗岩源の砕屑物を主体とし、多量の鉄酸化物が粒間を充填して硬度が比較的高い。さらに、アワチ部層上に発達するガリーは一本の峡谷(最深部14m)を形成し、ソンドゥ部層上に発達するガリーは網目状の浅い谷(最深部6m)を形成する。これらは主として岩相の違いを反映している。 (4)ガリーの発達が、大量の表面流の特定場所への集中であることは現地調査からも明らかである。この際、表面流のエネルギーは集水域面積と集水域の斜度、表面流混濁物の量に大きく依存し、浸食を受けやすい土地条件は、緑被率と岩相の地質学的性質に大きく依存することも確認できた。 (5)衛星画像・空中写真・1/5万地形図を使って画像解析を行い、ガリー集水域の面積、集水域の斜度、緑被率、土地利用状況等の情報を得た。これらと地質学的知見を組み合わせて、浸食に対する広域的な脆弱性地図を作成・提示するとともに、脆弱性地図を利用して今後取り組むべき課題を提案した。
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